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SFP Research Memo(7):当面は再成長に向けた投資の中身やタイミングを見定めていく方針


■今後の方向性

1. 今後の方向性
SFPホールディングス<3198>は、毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を公表してきたが、今回はコロナ禍の影響により先行き不透明な状況にあることから現時点で公表を見送っている。もっとも、新規出店やM&A(アライアンス構想※の推進を含む)などの投資は当面凍結したうえで、まずは既存店舗の強化(業態転換や改装等)や収益体質の改善などにより、業績の早期回復を目指す方向性に大きな変更はない。したがって、テイクアウトやデリバリーの拡充、食事性を強めた業態(めし処や寿司など)の出店、ファミリー層の取り込みなど、コロナ禍に伴う環境変化(ニューノーマル)を見据えた微調整や試行錯誤を柔軟かつ機動的に行いつつ、再成長に向けた投資の中身やタイミングを見定めていく考えと見られる。

※地方都市への進出を効果的に進めるための戦略である。具体的には、地方都市において豊富な経営ノウハウを有する居酒屋を経営する企業と資本提携し、同社の主力ブランド(「磯丸水産」等)を提供することにより成長を支援する仕組みとなっている。同社にとっては、地方都市での事業基盤(出店立地や人材、地域ネットワークのほか、能力や意欲に秀でたマネジメント層)を一気に囲い込むことができるメリットがある。一方、提携先にとっても、自らのブランドを継続しながら「磯丸水産」や「鳥良商店」など人気ブランドが第2の成長エンジン(収益源)に加わるとともに、様々なスケールメリットの享受や規模拡大の機会(提携先ブランドの全国展開など)はもちろん、提携先間での業態・ナレッジの共有も可能となる。


2. 弊社の注目点
弊社でも、まずは収益体質の改善に専念し、損益分岐点を引き下げ、たとえ売上高が100%元の状態に戻らなくても、利益を出せる収益構造への転換を図る方向性は理にかなっているものと評価している。コロナ禍による活動制限はすべての業態に例外なく影響を及ぼしたものの、「磯丸水産」の業態としての優位性は失われておらず、不採算店舗の退店等により筋肉質な経営体質を目指すとともに、環境変化に合わせたチューニングを行っていくことが、再び成長軌道に乗せるために必要なプロセスであると捉えている。また、それが実現すれば、業界再編を伴う環境変化は、今後「アライアンス構想」を再開するうえでも、明らかにチャンスを広げることになろう。さらに言えば、環境変化を見据えた新たな試みのなかから、次世代の成長ドライバーが育つ可能性もあり、この難局を乗り切ることこそが、成長軌道への回帰に向けて最大のアドバンテージになるものと捉えることができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)


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