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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米中交渉継続や米利上げ観測一段の後退で


10日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。焦点の米中貿易交渉は協議の延長で不透明感が残り、円買いは根強い見通し。また、今晩発表の米経済指標からインフレ鈍化が示されれば、年内利上げ観測が一段と後退してドル買いは手控えられよう。

ワシントンで行われている米中貿易交渉は両国の対立に思惑が交錯するなか、トランプ米大統領は「習主席から素晴らしい書簡を受け取った」と明らかにした。それを受け、交渉決裂による貿易戦争再燃の最悪シナリオ回避の期待感から、本日アジア市場では前日までのリスク回避の円買いを巻き戻す展開で、ドル・円は一時110円05銭まで強含んだ。しかし、米国が対中関税を引き上げ、中国が対抗措置を取ると表明したことでドル・円は109円台60銭台まで下落。ただ、米ホワイトハウスは「米通商代表部と財務長官、中国副首相は10日午前も協議継続で合意した」としており、なお不透明感とともに期待感も残る状況にある。

この後の海外市場でも、交渉の進展期待が高まればドルと円が売られクロス円の上昇がドル・円を押し上げる可能性があろう。ただ、ドルは円以外の主要通貨に対して売られやすく、ドル・円の上昇は限定的とみる。一方、21時半に発表される米消費者物価指数(CPI)は伸び拡大が予想されているが、国内総生産(GDP)や雇用統計でインフレ圧力はそれほど強まっていない。CPIが予想より低調な内容となれば、連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利上げ観測は一段と後退し、ドル買いは弱まるだろう。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・1-3月期GDP速報値(前年比予想:+1.8%、10-12月期:+1.4%)
・17:30 英・3月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、2月:+0.6%)
・17:30 英・3月貿易収支(予想:-137億ポンド、2月:-141.12億ポンド)
・21:30 米・4月消費者物価指数(前年比予想:+2.1%、3月:+1.9%)
・21:30 カナダ・4月失業率(予想:5.8%、3月:5.8%)
・21:30 ブレイナード米FRB理事開会あいさつ(地域開発に関するFRB会議)
・22:08 ボスティック米アトランタ連銀総裁が討論会出席(経済見通しと金融政策)
・23:00 ウィリアムズNY連銀総裁が基調講演(地区銀行業者朝食会)
・03:00 米・4月財政収支(予想:+1605億ドル、18年4月:+2142.55億ドル)




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