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NYの視点:米10月JOLT求人件数:過去2番目の高水準、失業者数を依然上回る


米労働省が発表した10月JOLT求人件数は707.9万件となった。9月696万件から増加。過去最高を記録した8月の729.3万件に続いて過去2番目の最高水準に達した。失業者数を100万件ほど上回り、企業の採用意欲が依然強く、労働市場のひっ迫が証明された。

一方で、雇用者の労働市場への自信をあらわすとされる自主的な退職者数は351万人で、9月の356万人から5万人減少。退職率(Quit rate)は2.3%と2001年以降17年ぶり高水準となった前回の2.4%から低下した。低下は1月以来で初めてとなる。11月の雇用統計と同様に、労働市場の成長が一段落した可能性が示唆された。米連邦準備制度理事会(FRB)の政策当局者は今後の賃金動向を見極める上でも同項目に注目している。低下したとはいえ、依然賃金の上昇を導くには十分との見方。米労働省が発表した11月雇用統計の賃金は前年比3.1%と、2009年以降9年ぶり最大の伸びとなった。

10月の解雇率(Layoffs/discharges rate)は1.1%で、9月から変わらず。10月採用率(Hiring rate)は3.9%と、9月3.8%から上昇した。

米連邦準備制度理事会(FRB)は来週19日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で本年4回目の利上げに踏み切ると見られている。米国の労働市場は依然順調ながら、2019年は政府の財政刺激策や税制改革の効果が薄れ景気見通しに陰りが見え始めた。利上げペースに関しても不透明感が強まりつつある。著名投資家であるポール・チューダー・ジョーンズ氏はCNBCとのインタビューで、FRBは2019年の利上げを見送ると見ている。

■雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善                      危機前の水準と比較
10月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.1%(9月1.1%)        1.4%
11月失業率(Unemploynent rate):3.7%(10月3.7%)            5%
10月求人率(Job openings rate):4.5%(9月4.4% )             3%
10月退職率(Quits rate):2.3%(9月2.4%)               2.1%
11月広義の失業率(U-6):7.6%(10月7.4%)                 8.8%
10月採用率(Hiring rate):3.9%(9月3.8%)               3.8%

◎状態が危機前より依然悪い
11月雇用者数(Nonfirm payrolls):+15.5万人(10月+23.6万人) +16.18万人
11月長期失業率:34.7%(10月36.5%、2017年37.7%)            19.1%
11月労働参加率:62.9%(10月62.9%)                    66.1%



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