– アドセトリスとAVD(アドリアマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)の併用により、
CD30陽性ステージ4ホジキンリンパ腫患者で病状進行、死亡、その後の抗がん治療の必要性のリスクが29パーセント低減 –
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欧州で5番目のアドセトリス適応症の承認という節目を達成し、CD30陽性悪性腫瘍患者向けに革新的なソリューションを開発するという武田薬品のコミットメントを強化
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米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は本日、欧州委員会(EC)がアドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の現在の市販承認の範囲を拡大し、AVD(アドリアマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)との併用で未治療のCD30陽性ステージ4ホジキンリンパ腫成人患者の治療を適応として追加したと発表しました。アドセトリスは、ホジキンリンパ腫を特徴付けるマーカーCD30を標的とする抗体薬物複合体(ADC)です。今回の決定は、2018年12月13日の欧州医薬品庁(EMA)医薬品評価委員会(CHMP)による肯定的見解を受けてのものです。
Duran i Reynals病院カタルーニャ腫瘍研究所で血液科および造血幹細胞移植プログラムの責任者を務めるAnna
Sureda医師(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「欧州委員会による決定は、未治療のステージ4ホジキンリンパ腫患者にとって喜ばしい展開です。これらの患者集団は、何十年にもわたり新しい治療法を提供されておりません。ステージ4ホジキンリンパ腫の患者は、最初の治療後に病状が進行するリスクが高く、結果として転帰不良を経験することがあります。本レジメンの承認は、欧州の医師と患者に対し、ABVDと比較して著しい利点を示し、アドセトリスを単剤療法で使用した場合と一致する安全性プロファイルを備えた新しい選択肢を提供することで、この未充足ニーズに対処し得るものです。」
武田薬品のオンコロジー臨床研究開発部門長であるJesús
Gómez-Navarroバイスプレジデント(M.D.)は、次のように述べています。「私たちは、欧州委員会がAVDとの併用でアドセトリスを承認したことをうれしく思います。患者にとって重要な節目となる成果になり得るものであり、ホジキンリンパ腫コミュニティーに対する当社の長年にわたる傾倒ぶりの証拠となるものです。ECHELON-1臨床試験は、標準的なABVDレジメンにアドセトリスを追加してブレオマイシンを外した場合、患者に有効性と安全性の両方の利点がもたらされることを示しました。欧州のホジキンリンパ腫患者に本治療法を適切にお届けできることを当社は心待ちにしています。」
本承認は、未治療のホジキンリンパ腫成人患者に対する治療としてアドセトリスとAVDの併用療法をABVD(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)と比較するようにデザインされた第3相ECHELON-1試験(ランダム化非盲検2群間比較多施設試験)の結果に基づいています。試験の主要評価項目は達成され、修正無増悪生存期間(PFS)は対照群との比較で統計的に有意な改善を示しました(ハザード比[HR]0.77、p値=0.035)。これは病状進行、死亡、その後の抗がん治療の必要性のリスクが23パーセント低減したことになります。主要なサブグループ解析で、アドセトリスとAVDの併用群は対照群との比較でステージ4ホジキンリンパ腫患者に対する効果が大きいことが示されました(修正PFS、HR
0.71、p値=0.023)。
ECHELON-1試験におけるアドセトリスとAVDの併用療法の安全性プロファイルは、レジメンを構成する単剤成分について既知の安全性プロファイルと全般的に一致するものでした。アドセトリス+AVDとABVDの各群で、患者の15パーセント以上で発現した高頻度の有害事象(全グレード)として臨床的に意味のあるものは、好中球減少症、便秘、嘔吐、疲労、末梢感覚神経障害、下痢、発熱、末梢神経障害、腹部痛、口内炎でした。アドセトリス+AVDとABVDの両群で、グレード3~4の最も高頻度の有害事象は、好中球減少症、発熱性好中球減少症、好中球数減少でした。
欧州委員会による今回の決定は、AVDと併用するアドセトリスが、欧州連合加盟28カ国にて本適応症で市販が承認されたことを意味し、この決定はノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドにも適用されます。欧州委員会の決定に関する詳細については、欧州医薬品庁のウェブサイト(www.ema.europe.eu/ema)をご覧ください。
ホジキンリンパ腫について
リンパ腫とは、リンパ系で発生するがん種を示す一般名称です。リンパ腫にはホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫という2つの主要なカテゴリーがあります。ホジキンリンパ腫は、リードスタンバーグ細胞として知られる特徴的な細胞種の存在によって他のリンパ腫と区別されます。リードスタンバーグ細胞はCD30を発現します。
リンパ腫連合によれば、世界で毎年約6万7000人がホジキンリンパ腫と診断され、毎年2万5000人以上がこのがんで死亡しています。
未治療のホジキンリンパ腫患者は、疾患のステージにより最大30パーセントが初回の治療後に病状が進行します。再発性/難治性ホジキンリンパ腫患者の50パーセントのみが、従来から使用されてきた治療レジメンの高用量化学療法と自家幹細胞移植(ASCT)によって長期寛解を達成しています。このことは未治療患者での治療成功が必要であることを浮き彫りにしています。
アドセトリスについて
アドセトリスは、シアトル・ジェネティクスの専有技術を使用し、抗CD30モノクローナル抗体を、タンパク質分解酵素により開裂するリンカーで、微小管阻害剤モノメチルアウリスタチンE(MMAE)と結合させた抗体薬物複合体(ADC)です。本ADCが採用するリンカーシステムは、血中では安定し、CD30陽性腫瘍細胞に取り込まれると、MMAEを放出するように設計されています。
静脈内注射用のアドセトリス注射剤はFDAより、成人患者を対象に6件の適応症で承認を取得しました。これらの適応症は(1)未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)、CD30発現末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、その他の特定不能のPTCLを含む、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾンとの併用)、(2)未治療のステージ3/4古典的ホジキンリンパ腫(cHL)(ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジンとの併用)、(3)自家造血幹細胞移植(自家HSCT)地固め療法後に再発ないし進行のリスクが高いcHL、(4)自家HSCTが失敗した患者か、自家HSCTの候補でない患者で過去に少なくとも2回の多剤化学療法レジメンが失敗した患者でのcHL、(5)過去の1回以上の多剤化学療法レジメンが失敗した後のsALCL、(6)過去に全身療法を受けている患者での原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)またはCD30発現菌状息肉症、となります。
カナダ保健省はアドセトリスに対し、再発性ないし難治性のホジキンリンパ腫およびsALCLを適応症として条件付き承認を2013年に与え、また再発ないし進行のリスクを持つホジキンリンパ腫患者の自家幹細胞移植(ASCT)後の地固め療法として無条件承認を与えています。
アドセトリスは欧州委員会より、条件付きの市販承認を2012年10月に取得しました。これらの欧州で承認された適応症は、(1)ASCT後、またはASCTないし多剤化学療法が治療選択肢でない場合に少なくとも2種類の治療を受けた後の再発性ないし難治性のCD30陽性成人ホジキンリンパ腫患者の治療、(2)再発性または難治性の成人sALCL患者の治療、(3)ASCT後に再発・進行リスクの高いCD30陽性ホジキンリンパ腫の成人患者の治療、(4)過去に少なくとも1種類の全身療法を受けているCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)成人患者の治療、(5)未治療のCD30陽性ステージ4ホジキンリンパ腫成人患者のAVDとの併用での治療、となります。
アドセトリスは再発性/難治性ホジキンリンパ腫とsALCLを適応に70カ国以上で規制当局より市販承認を取得しています。枠組み警告を含め、下記の重要な安全性情報をご覧ください。
アドセトリスは70件以上の臨床試験で広範な評価を受けています。これらの試験には、ホジキンリンパ腫に対するファーストライン治療としての第3相試験(ECHELON-1)、CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫に対するファーストライン治療としての別の第3相試験(ECHELON-2)、その他多種類のCD30陽性悪性腫瘍を対象とした試験が含まれます。
シアトル・ジェネティクスと武田薬品はアドセトリスを共同開発しています。提携契約の条件に従い、シアトル・ジェネティクスは米国とカナダでアドセトリスを商業化する権利を保有し、武田薬品は世界のその他の地域で商業化する権利を保有します。シアトル・ジェネティクスと武田薬品は、アドセトリスの開発費を50対50の割合で共同負担していますが、例外的に日本における開発費に関しては武田薬品が単独で責任を負っています。
アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の重要な安全性情報(欧州連合向け)
処方に先立ち、製品概要(SmPC)をご参照ください。
禁忌
ブレンツキシマブ・ベドチンおよびその賦形剤に対し過敏症を示す患者に対するアドセトリスの使用は禁忌となっています。またブレオマイシンとアドセトリスの併用は肺毒性をもたらします。
特別な警告および注意
進行性多巣性白質脳症(PML):アドセトリスによる治療を受けた患者で、進行性多巣性白質脳症(PML)および死亡をもたらすジョン・カニンガム・ウイルス(JCV)の再活性化が起こることがあります。複数の化学療法レジメンを受けた後にアドセトリスを投与された患者でPMLが報告されています。PMLは潜伏JCVの再活性化がもたらす希少な中枢神経系の脱髄疾患で、多くの場合に致死性となります。
神経・認知・行動関連でPMLを示唆する兆候・症状の新規発症または悪化につき、患者を密にモニタリングします。PMLの評価法として提案されているものには、神経科医による診察、脳のガドリニウム増強核磁気共鳴画像法、ポリメラーゼ連鎖反応によるJCV
DNAの脳脊髄液分析、JCVの所見がある場合の脳生検が含まれます。JCV
PCR陰性はPMLの可能性を排除するものではありません。別の診断が確定しない場合、追加的な観察と評価が必要となる場合があります。PMLが疑われる症例すべてでアドセトリス投与を保留し、PMLの診断が確定したらアドセトリスを永久的に中止します。患者が気づかない可能性があるPMLの症状(例:認知・神経・精神の症状)に注意します。
膵炎:アドセトリスによる治療を受けた患者で、急性膵炎が観察されています。致死的転帰が報告されています。急性膵炎を疑わせる腹痛の新規発症または悪化につき、患者を密にモニタリングします。患者の評価には身体診察、血清アミラーゼと血清リパーゼのラボ検査、超音波など腹部画像検査、その他の適切な診断法があり得ます。急性膵炎が疑われる症例すべてでアドセトリス投与を保留し、急性膵炎の診断が確定したらアドセトリスを永久的に中止する必要があります。
肺毒性:アドセトリスによる治療を受けた患者で、肺臓炎、間質性肺疾患、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を含め、致死的転帰を伴う場合がある肺毒性の症例が報告されています。アドセトリスとの因果関係は確立していませんが、肺毒性のリスクは排除できません。肺症状(例:咳、呼吸困難)の新規発症や悪化があれば、直ちに適切な評価と治療を行います。評価中および症状が改善するまでは投与の保留を検討します。
重篤感染および日和見感染:アドセトリスによる治療を受けている患者で肺炎、ブドウ球菌血症、敗血症/敗血症性ショック(致死的転帰を含む)、帯状疱疹などの重篤感染と、ニューモシスチス・イロベチ肺炎や口腔カンジダなどの日和見感染が報告されています。重篤感染および日和見感染の発生可能性につき、治療中は患者を注意深くモニタリングします。
注入に伴う反応(IRR):即時型および遅延型のIRRと、アナフィラキシーがアドセトリス投与で報告されています。患者を注入時と注入後に注意深くモニタリングします。アナフィラキシーが発生した場合、アドセトリス投与を即時・永続的に中止し、適切な治療を施します。IRRが発生した場合、注入を中断して適切な医療管理を行います。注入は症状が解消してから速度を落として再開することも可能です。IRRを過去に経験している患者は、その後の注入に備えて準備投薬する必要があります。IRRはアドセトリスに対する抗体を持つ患者ほど頻度と重症度が高くなっています。
腫瘍崩壊症候群(TLS):アドセトリス投与でTLSが報告されています。腫瘍が急速に増殖して腫瘍量が多い患者はTLSのリスクがあります。これら患者は密にモニタリングし、最適な医療に基づいて管理します。
末梢神経障害(PN):アドセトリスによる治療は感覚神経障害、運動神経障害の両神経障害をもたらす場合があります。アドセトリス誘発性PNは一般的にアドセトリスへの曝露が蓄積する結果としてもたらされ、ほとんどの症例において可逆的です。知覚鈍麻、知覚過敏、知覚障害、不快感、灼熱感、神経因性疼痛、虚弱など神経障害の症状につき、患者をモニタリングします。PNの新規発症や悪化を経験した患者では、アドセトリス投与の延期、投与量削減、中止が必要となる場合があります。
血液毒性:グレード3ないし4の貧血、血小板減少症、長期(1週間以上)のグレード3ないし4の好中球減少症がアドセトリスで発生する場合があります。各投与に先立ち全血球計算値をモニタリングします。
発熱性好中球減少症:アドセトリス投与で発熱性好中球減少症が報告されています。各投与に先立ち全血球計算値をモニタリングします。患者を発熱につき密にモニタリングし、発熱性好中球減少症が発症した場合は最適な医療に基づき管理します。
AVDとの併用でアドセトリスを投与する場合、すべての患者で初回投与からG-CSFによる一次予防の実施が推奨されます。
スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS):アドセトリス投与でSJSおよび中毒性表皮壊死症(TEN)が報告されています。致死的転帰が報告されています。SJSまたはTENが発症した場合、アドセトリスによる治療を中止し、適切な治療を施します。
消化管合併症:アドセトリス投与で腸閉塞、イレウス、腸炎、好中球減少性大腸炎、びらん、潰瘍、穿孔、出血を含め、致死的転帰を伴う場合がある消化管合併症が報告されています。消化管症状の新規発症や悪化があれば、直ちに評価して適切な治療を施します。
肝毒性:アドセトリス投与でアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の上昇が報告されています。肝毒性の重篤な症例(致死的転帰を含む)も発生しています。既存の肝疾患、併存疾患、併用薬もリスクを増大させる可能性があります。治療開始に先立って肝機能を検査し、治療中は検査値の上昇につき定期的にモニタリングします。肝毒性を経験した患者では、アドセトリス投与の延期、投与量変更、中止が必要となる場合があります。
高血糖症:試験では糖尿病の病歴有無にかかわらず肥満指数(BMI)の高い患者で高血糖症が報告されています。高血糖イベントを経験した患者は全員、血清グルコースを密にモニタリングします。糖尿病治療を適宜開始します。
腎・肝障害:腎・肝障害を抱えた患者における経験は限られています。入手できるデータは、MMAEクリアランスが重度の腎障害および肝障害と、低い血清アルブミン濃度による影響を受ける可能性があることを示しています。
CD30陽性CTCL:菌状息肉腫(MF)および原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)以外のCD30陽性CTCLサブタイプでの治療効果の程度は、高レベルの証拠が不足しているため明らかではありません。アドセトリスの2件の単群第2相試験では、セザリー症候群(SS)、リンパ腫様丘疹症(LyP)、混合組織型CTCLの各サブタイプで疾患活動性が示されました。これらのデータは、有効性と安全性が他のCD30陽性CTCLサブタイプに外挿できることを示しています。CD30陽性CTCLの他の患者タイプでは、患者ごとにベネフィットとリスクを慎重に検討して注意を払います。
賦形剤におけるナトリウム量:本医薬品は1バイアル当たり13.2 mg(WHOが推奨する成人1人当たりの最大1日摂取量である2
gの0.7%に相当)のナトリウムを含みます。
薬物相互作用
強力なCYP3A4阻害剤やP-gp阻害剤をアドセトリスと併用している患者は、好中球減少症のリスクが高まる可能性があります。好中球減少症が発生した場合、好中球減少症に対する推奨投与法(SmPCの4.2項)を参照してください。アドセトリスとCYP3A4誘導剤の同時投与はアドセトリスの血漿中濃度を変えませんでしたが、アッセイで検出され得るMMAE代謝産物の血漿中濃度の低減をもたらすと思われます。アドセトリスはCYP3A4酵素によって代謝される薬物への曝露に変化をもたらすとは考えられません。
妊娠:妊娠の可能性がある女性は、アドセトリスによる治療を受けている期間と治療後6カ月目までは2種類の効果的な避妊法を取るよう助言します。アドセトリスの妊婦での使用に関するデータは存在しませんが、動物試験で生殖毒性が示されています。母体に対するベネフィットが胎児に対する潜在的リスクを上回る場合を除き、アドセトリスを妊娠中に使用してはなりません。
授乳(母乳育児):アドセトリスまたはその代謝産物が母乳中に排泄されるかどうかを示すデータは存在しませんので、新生児/乳児に対するリスクは排除できません。潜在的リスクがあるため、母乳育児を中止するかアドセトリスによる治療を中止/自制するかを決断する必要があります。
生殖:非臨床試験でアドセトリスによる治療は精巣毒性をもたらしているため、男性の生殖能力を変化させる可能性があります。アドセトリスによる治療を受けている男性には、治療期間中と最後の投与から最長6カ月後までは子供をもうけないように助言します。
運転および機械操作の能力に対する影響:アドセトリスは、運転および機械操作の能力に対し中等度の影響を及ぼす可能性があります。
副作用
単剤療法:最も発生頻度が高かった(10%以上)有害反応は、感染症、末梢感覚神経障害、悪心、疲労、下痢、発熱、上気道感染、好中球減少症、発疹、咳、嘔吐、関節痛、末梢運動神経障害、注入に伴う反応、そう痒、便秘、呼吸困難、体重減少、筋肉痛、腹部痛でした。重篤な薬物有害反応は患者の12%で発生しています。特異的な重篤薬物有害反応の発生頻度は1%以下でした。有害事象は患者の24%で治療中止につながりました。
併用療法:未治療の進行期HL患者662人を対象にアドセトリスとAVDの併用療法を検討する試験で、最も発生頻度が高かった有害反応(10%以上)は、好中球減少症、悪心、便秘、嘔吐、疲労、末梢感覚神経障害、下痢、発熱、脱毛症、末梢運動神経障害、体重減少、腹部痛、貧血、口内炎、発熱性好中球減少症、骨痛、不眠症、食欲減退、咳、頭痛、関節痛、背部痛、呼吸困難、筋肉痛、上気道感染、アラニンアミノトランスフェラーゼ上昇でした。重篤有害事象は患者の36%で発生しました。患者の3%以上で発生した重篤有害事象には発熱性好中球減少症(17%)、発熱(6%)、好中球減少症(3%)が含まれます。有害事象は患者の13%で治療中止につながりました。
アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)の重要な安全性情報(米国向け)
枠囲み警告:進行性多巣性白質脳症(PML):
アドセトリスによる治療を受けている患者で、PMLおよび死亡をもたらすJCウイルス感染が発生する場合があります。
禁忌
アドセトリスとブレオマイシンの併用は、肺毒性(例えば間質浸潤もしくは炎症またはその両方)を理由に禁忌となっています。
警告および注意
末梢神経障害(PN):アドセトリスは、感覚優位の末梢神経障害を引き起こします。末梢運動神経障害の症例も報告されています。アドセトリス誘発性末梢神経障害は蓄積的です。知覚鈍麻、知覚過敏、知覚障害、不快感、灼熱感、神経因性疼痛、虚弱などの症状につき、モニタリングします。投与量を適宜修正します。
アナフィラキシーおよび注入反応:アナフィラキシーを含め、注入に伴う反応(IRR)がアドセトリスで発生しています。注入中は患者をモニタリングします。IRRが発生した場合は注入を中断し、適切な医療管理を行います。アナフィラキシーが発生した場合は注入を即時・永続的に中止し、適切な医療を施します。IRRを過去に経験している患者は、次の注入に先立って前投薬を行います。前投薬として可能なものには、アセトアミノフェン、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ホルモンが含まれます。
血液毒性:発熱性好中球減少症の致死的ないし重篤な症例がアドセトリスで報告されています。長期(1週間以上)の重度好中球減少症およびグレード3ないし4の血小板減少症または貧血がアドセトリスで発生する場合があります。
未治療のステージ3/4のcHLまたは未治療のPTCLの治療で化学療法との併用でアドセトリスを投与する場合、第1サイクルからG-CSFによる一次予防投与を開始します。
アドセトリスの投与に先立ち、全血球計算値をモニタリングします。グレード3ないし4の好中球減少症が発症している患者ではモニタリング頻度を増加します。発熱に関し患者をモニタリングします。グレード3ないし4の好中球減少症が発生した場合、投与延期、投与量削減、投与中止、G-CSF予防投与後の投与を検討します。
重篤感染と日和見感染:アドセトリスによる治療を受けた患者で、肺炎、菌血症、敗血症ないし敗血症性ショック(致死的転帰を含む)が報告されています。治療中は細菌・真菌・ウイルス感染につき、患者を密にモニタリングします。
腫瘍崩壊症候群:腫瘍が急速に増殖して腫瘍量が多い患者は、密にモニタリングします。
重度腎障害が存在する場合の毒性増加:グレード3以上の有害反応および死亡が発生する頻度は、正常な腎機能の患者と比較して重度の腎障害を持つ患者で高くなっていました。重度の腎障害を持つ患者では使用を避けます。
中等度から重度の肝障害が存在する場合の毒性増加:グレード3以上の有害反応および死亡が発生する頻度は、正常な肝機能の患者と比較して中等度から重度の肝障害を持つ患者で高くなっていました。中等度から重度の肝障害を持つ患者では使用を避けます。
肝毒性:致死的症例および重篤症例がアドセトリスによる治療を受けた患者で発生しています。それらの症例は肝細胞障害と一致するもので、トランスアミナーゼもしくはビリルビンまたはその両方の上昇を含み、アドセトリスの初回投与または再投与後に発生しています。既往症の肝臓疾患の存在、ベースラインにおける肝酵素の上昇、併用薬はリスクを高める可能性があります。肝酵素とビリルビンをモニタリングします。肝毒性が新規発症、悪化、再発した患者ではアドセトリス投与の延期、投与量変更、中止が必要となる場合があります。
PML:アドセトリスによる治療を受けた患者でPMLをもたらす致死的なJCウイルス感染が複数例報告されています。最初の症状はアドセトリス投与開始後のさまざまな時期に発生し、初回曝露から3カ月以内に発生した場合もあります。アドセトリスによる治療以外では、免疫抑制をもたらす可能性がある前治療と基礎疾患が寄与因子となっている場合があります。中枢神経系の異常を示す兆候・症状が新規に現れた患者はPMLの診断を検討します。PMLが疑われる場合はアドセトリス投与を保留し、PMLが確定したらアドセトリス投与を中止します。
肺毒性:肺臓炎、間質性肺疾患、急性呼吸ひっ迫症候群など非感染性肺毒性の致死的/重篤イベントが報告されています。咳および呼吸困難を含む兆候・症状につき患者をモニタリングします。肺症状が新規に現れたり悪化したりした場合、評価中および症状改善までの期間はアドセトリス投与を保留します。
重篤皮膚反応:スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)で致死的/重篤症例がアドセトリス投与で報告されています。SJSまたはTENが発症した場合はアドセトリス投与を中止し、適切な医療を施します。
消化管合併症:急性膵炎の致死的/重篤な症例が報告されています。その他の致死的/重篤な消化管合併症には穿孔、出血、びらん、潰瘍、腸閉塞、腸炎、好中球減少性大腸炎、イレウスが含まれます。既存の消化管病変を持つリンパ腫では、穿孔のリスクが高まる可能性があります。重度の腹部痛を含む消化管症状の新規発症や悪化は、直ちに診断・評価して適切な治療を施す必要があります。
胚・胎児毒性:作用機序と動物実験に基づけば、アドセトリスは胎児に害を及ぼす可能性があります。生殖能のある女性には、胎児への潜在的リスクにつき、またアドセトリス治療中とアドセトリスの最終投与から少なくとも6カ月は妊娠を避けるよう、助言します。
最も発生頻度の高い(いずれかの試験で20%以上)有害反応:末梢神経障害、疲労、悪心、下痢、好中球減少症、上気道感染、発熱、便秘、嘔吐、脱毛症、体重減少、腹部痛、貧血、口内炎、リンパ球減少症、粘膜炎。
薬物相互作用
強力なCYP3A4阻害剤またはCYP3A4誘導剤、P-gp阻害剤との併用は、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)への曝露に影響を与える可能性があります。
特定集団での使用
中等度から重度の肝障害の患者または重度腎障害:MMAEへの曝露と有害反応が増加します。使用を避けます。
生殖能のある女性を性的パートナーに持つ男性には、アドセトリスによる治療中とアドセトリスの最終投与から少なくとも6カ月は効果的な避妊を助言します。
アドセトリスの投与を受けている間は、妊娠すれば直ちに報告し、授乳を控えるよう、患者に助言します。
枠囲み警告を含め、重要な安全性情報の詳細については、アドセトリスの完全な処方情報をwww.seattlegenetics.comまたはhttp://www.ADCETRIS.comでご覧ください。
武田薬品工業株式会社について
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)(NYSE:TAK)は、日本に本社を置く価値立脚・研究開発型の世界的なバイオ医薬品のリーディングカンパニーとして、科学の成果を高度に革新的な医薬品へと橋渡しすることで、患者のために健康を改善してより明るい未来をもたらすことに真剣な努力を傾けています。武田薬品はその研究活動をオンコロジー、消化器系疾患、神経精神疾患、希少疾患の4つの治療領域に集中させています。また血漿分画製剤とワクチンにも重点的に研究開発投資を行っています。武田薬品は、新しい治療選択肢を掘り起こし、協業的研究開発の強化された原動力と能力を活用して、強固かつ多様な創薬手法のパイプラインを構築することにより、人々の生活を改善することに貢献する高度に革新的な医薬品の開発に傾注しています。当社の従業員は約80の国と地域で、患者の生活の質の向上と、医療分野におけるパートナーとの協力に傾倒しています。
詳細についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。
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