エジプト観光・考古省は4日、中部ミニヤ県アシュムネインの遺跡で紀元前13世紀に在位した古代エジプトのファラオ(王)、ラムセス2世の上半身の彫像を発掘したと発表した。1930年にドイツの考古学者が見つけた下半身の像と一致することが判明したという。
上半身の像はエジプトと米国の合同調査チームが発見した。同省によると、像は石灰岩で作られており、高さ約3・8メートル。王権の象徴とされる二重の王冠と、コブラを乗せた飾りを頭に着けており、背面にはヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)で王をたたえる文面が記されていた。下半身と合わせると、約7メートルの高さになるという。
ラムセス2世は新王国時代のファラオで、数多くの神殿などを建設したため「建築王」と呼ばれることもある。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されているアブシンベル神殿を造営したことでも知られている。【カイロ金子淳】