アンリ・ファルマン機の解体始まる＝埼玉県所沢市〔地域〕

　動力で空を飛んだ日本初の飛行機で、所沢航空発祥記念館（埼玉県所沢市）に展示中の「アンリ・ファルマン機」の実機が航空自衛隊入間基地に帰ることになり、１日から解体作業が行われている。展示は８日まで。同館では３月末までポストカードにメッセージを書いて「Ｍｅｒｃｉ（ありがとう）」を伝えるイベントを開催している。 　同機は全長１０．８メートル、全幅１０．５メートルのフランス製複葉機で、５０馬力のエンジンを搭載。１９１０年１２月に国内最初の飛行場である所沢飛行場で徳川好敏大尉が操縦し、飛行距離８００メートル、飛行時間１分２０秒を記録した。 　引退後は所沢飛行場で保管されていたが第２次世界大戦後に米国が接収。６０年に日本に返還された。同館はフランス航空教育団の来日１００周年記念事業として、航空自衛隊から貸与を受け、２０１９年夏から展示。これまで約３０万人が訪れた。 　解体では専門の業者が、車輪、エンジン・操縦席、尾翼など七つの部分に分け、八つに梱包（こんぽう）。主翼部分は１２メートルのトレーラーに積まれ、入間基地まで運ばれる。　（了） 【時事通信社】