アディポネクチンは長寿ホルモンとも呼ばれています。実際、長寿の双子として一世を風靡したきんさんぎんさんも、アディポネクチンが高かったのです。逆にいえば、アディポネクチンが高かったからこそ、それだけ長生きできたともいえます。詳しく見ていきましょう。
アディポネクチンがたくさんあった
明治・大正・昭和・平成の世をまたにかけた2人が10年前、お茶の間をにぎわせていました。100歳を超えた双子のきんさんぎんさんです。きんさんは107歳、ぎんさんは108歳という超高齢で世を去りました。
あまり知られていませんが、ぎんさんは死後、長寿の秘密を探るべく病理解剖を受けています。体の中をすみずみまで調べた結果わかったのが、血管や内臓がとても若々しい状態にあったことでした。
専門家によれば、20歳程度は若いといっても言い過ぎではないといいます。これはぎんさんの体の中に、あるホルモンがたくさんあったからだと考えられています。それが「アディポネクチン」です。
アディポネクチンは生活習慣が7割
じつは、アディポネクチン自体は誰でも持っているもの。ただし、きんさんぎんさんはそれがとくに多かったのです。そこで、ぎんさんのお子さんにご協力いただき、アディポネクチンが多いかどうかを調べてみました。
アディポネクチンの標準的な量は「8~10μg/ml」です。ところが、ぎんさんの3人のお子さんは、長女から順に23.1μg/ml、34.8μg/ml、24.6μg/mlという数値。標準の倍以上、人によっては3倍もの量を持っていたのです。
こうなると、アディポネクチンは遺伝的要素が強いと思われますが、実際に遺伝が関係するのは3割程度。残りの7割は生活習慣などで決まってくるといいます。アディポネクチンの量は生活習慣に大きく左右されるのです。