■なぜビー玉で栓がしてあるの?
ラムネといえば、ビー玉で栓がされているあの瓶が特徴的ですよね。このビー玉栓の瓶を開発したのは、イギリス人のハイラム・コッド氏。それまでの栓には、コルクが使用されていたのですが、これでは密閉できずに炭酸が抜けてしまううえ、やや値の張るものでした。
そこで、瓶の密封方法として開発されたのが、あらかじめ入れておいたビー玉で栓をするやり方。ラムネの原液に炭酸ガスを入れ、一気に瓶を逆さにすることで、口の方へ落ちたビー玉が、炭酸の圧力によって押し出されて蓋になるのです。
飲むために栓を押し開けた瓶は、しっかり洗浄すればリサイクルできる優れもので、丁寧に扱えば、10年以上にわたって再利用し続けることのできる地球に優しい容器なのだとか。
ちなみに、飲み口がプラスチックではない、すべてガラスで作られた瓶に、あらかじめビー玉を入れておく方法ですが、瓶の胴体と口を別々に作るやり方や、口の広い瓶にビー玉を入れておき、後から口を熱してガラスを絞る作り方などがあるようです。
■ラムネを伝えたのはペリー!?
次に取りあげるのは、ラムネが日本に伝わった経緯について。ラムネの原型となったのは、レモン果汁に甘味を加えて、水や湯で薄めた飲み物・レモネード。1853年、ペリー提督を乗せた黒船が、浦賀に来航したときの船上で、交渉を任されていた江戸幕府の役人に、これが初めて振る舞われたのだとか。
そして1865年には、長崎県で日本初のレモネードが製造販売されることとなったそうなのですが、当時の商品名「レモン水」が広まることはありませんでした。その後、レモネードという語が訛ったラムネが、一般的に使われるようになったと考えられているそうです。
■ラムネとサイダーの違いとは?
ラムネと近い飲み物にサイダーがありますが、この二つの違いはわかりますか?
サイダーは、フランス語でリンゴ酒を意味するシードル(Cidre)が語源で、それを英語読みしたものだと言われています。ですから明治時代のサイダーはリンゴ風味、レモネードが転訛したラムネはレモン風味とわけられていたとか。また、容器にも違いがあり、サイダーはビールと似た形の瓶に入れられて、王冠で栓がしてあったそうです。
それから年月が経ち、こうした定義はあいまいなものとなっている様子。現在では、ビー玉を用いたラムネ瓶に入っている炭酸飲料がラムネ、それ以外がサイダーと呼ばれており、中味に違いはないそうですよ。