断捨離や片づけはかなり浸透してきましたが、物を抱え込んでいる人はまだまだ少なくありません。年末の片づけのときも、実家の母や子ども達に「これ使わないでしょ?」と何度聞いたことか…。
その度に「う〜ん、いつか使うかもしれないし」とお決まりの言葉が返ってきました。その「いつか」って一体いつなの? 本当に来るの? とツッコミたいのですが、本人たちが納得して片づけをしない限り、また同じように物が増えてしまいます。
最悪、同じ物を買ってしまうことも。不用品を手放すとき大切なのは、手放す人が納得することだと思っています。
■こうして子供に漫画を売らせた
無理に売ろうとしても未練が残ります。でも、正直なところ、なかなか納得できないことも多いですよね。そんなとき、私は「それ、○○円で売れるかもよ」という言葉をかけます。
人はおもしろいもので、「物を売ろう」という動機だけではなかなか動きません。でも、その先に何かメリットがある、しかも金銭的なメリットとなると違います。
実話ですが、「娘が読まない漫画を売ろう」という話になりました。でも、娘はなかなか首を縦に振りません。そこで、同じ漫画がフリマアプリならいくらで売れているのか伝えたところ、「やっぱり売るよ」と。その変わり身の早さには思わず笑ってしまったくらいです。
他にもあります。特に、それほど執着はしてないけれど売るかどうか悩んでいる物に関しては、取引価格を見せるのが一番効果的です。「SOLD」の商品なら、本当に売れた価格なので尚更です。
■高く売れてないときは要注意
ここで注意しなければならないのは、取引価格が思ったほど高くない場合、あるいは全く売れていない場合です。それを伝えると、「やっぱりやめよう」となってしまいます。「○○円で売れるかも」と言われた側は、その価格で売れるものだと考えます。なので、さらに安い価格を見てしまうと、一気に気持ちが冷めてしまうわけです。価格が高くない場合は、商品の状態を比べてみましょう。ダメージが大きいので価格を安くしている可能性もあります。自分が持っている物の状態が良ければ、もっと高く売れると思えるはずです。
仕組みの話をすると、安く売れている商品は「着払い」かもしれません。価格に送料が入っていないので、その分、安く設定していることが多いです。売れていない場合は、「出品一番乗りだね」「探している人がいるかもしれないよ」とポジティブに伝えるのも手です。
需要がないわけではなく、「供給がないから需要もわからない」という。言葉の使い方次第で本人の意向が変わるため、「売れる可能性」を伝えることがポイントです。
■本当は背中を押してほしい
物をたくさん抱えている人は、本当は片付けたいと考えているのかもしれません。
でも、きっかけがなかったり、納得する理由が見つからなかったりするので、誰かに背中を押してほしいわけです。そのときに「○○円で売れるかもね」と声をかければ、納得した上で気持ちよく手放せるのではないかと思います。