ここ数ヶ月、SNSやテレビなどで「BBA」なるワードが頻繁に使われている。「ババア」をローマ字表記にした「BABA」の最初の「A」を省略したネットスラングである。私の身近な中高年層の仲間内では、5年近く前からすでに「OBA(おばさんの略)」「OJI(おじさんの略)」などの“亜流DAI語”が自嘲の意を込めながら普通に飛び交っていたので、ある意味我々は時代を先取りしていたわけだがw、ORICON NEWSによると、最近は「20代の女性であっても女子高生にとってはBBAであり、その女子高生も女子中学生にとってはBBAとなってしまう」みたいな風に、“比較対象”として年上女性は誰もがBBAと評される傾向が顕著となりつつある、すなわち「ババアの低年齢化」が著しくなってきているのだ。また、それを見越して、「年下からバカにされる前に、みずから自称しておけば傷も浅くなる」といった考えなのか、たとえば
AKB48の柏木由紀が(先ごろ行われたイベントで)秋元康から「これからは指原と柏木のババアコンビで頑張るしかない」と言われたエピソードを告白したり、元モー娘。の辻希美がブログで「これから洗濯ババアになってきます」と綴ったり、木下優樹菜がインスタグラムで「(新成人に向けてのメッセージで)29歳のBBAより。笑」と発言したり……。
と、BBAを多用する20後半から30代前半の女性芸能人も急増中で、こうした風潮は、芸能界だけではなく一般社会にも深く浸透してきているという。「BBAの過剰なまでのカジュアル化」の理由を、ORICON NEWSは以下のように分析する。
その根底には日本人の美徳とされる“謙遜”もあるのだろう。しかし、とかく若い女性がチヤホヤされがちな日本社会において、あえてBBAを公言する自虐ネタは、もう若くはないという年齢コンプレックスを薄める“安定剤”としても機能しているのだろう。(前述のように)先にBBAを自身で認めてしまうことで、それ以上は批判されないという自衛効果もある。
(中略)(一方で)自分より若い世代に対しては、(あなたたちより物事を知っているし、大人ですけど…という)“マウンティング”の意味合いもありそうだ。さらに言えば、そこには「BBAと自虐ネタにできる自分って器が大きくない?」という“承認欲求”すらあるのかもしれない。
安定剤だか自衛効果だかマウンティングだか承認欲求だかなんだか知らないが、まだ若いみそらで一体なにを諦観しちょるんですか! 10代も20代も30代も40代も、我々50代男性からすれば、皆同じ「ピチピチガール」ではないか……と私は声を大にして言いたい。とくに20代後半から30代にかけては、女性が子娘には絶対に真似できない色香やスキルが備わり始め、女性がもっとも魅力を増していく絶妙のお年頃じゃないですか。そして、その集大成となるのが40代……おのれをオッサン・オバサンと自認しながら「第一の人生を悔い、第二の人生の模索をスタートする楽しみ」を心底から味わい尽くすには、アンタらはまだまだひよっこすぎる! しかもその“若年寄気取り”を芸能人が嬉々として率先するのはいかがなものか?
世間的な影響力の強い立場にある彼女たちにこそ、頑なな意地を貫き通してでも、瘦せ我慢でもかまわないから「加齢に抗わない生き方」「年相応な美しさ」=「実年齢への絶対的な自信」を示してもらいたい……と、私は切に願うのだが、それはやはり、酷な注文なんですかね?