<明治安田J1:町田3-0東京>◇9日◇第36節◇国立
FC町田ゼルビアが聖地・国立でFC東京に3-0と完勝した。
黒田剛監督は堅守を取り戻すべく従来の4バックから3バックにシフトチェンジ。中盤の並びも変えた3-1-4-2というフォーメーションで攻守一体となったサッカーでFC東京をのみ込んだ。シュート数19本対5本のデータが示す通り、今季ベストゲームと言ってもいい内容だった。
実に6試合ぶりの勝利。試合後の黒田監督はすっきりした表情で「ミスを恐れることなく果敢にチャレンジすることが必要だということで、何度も映像を見せながら彼らを雰囲気させながら今日の日を迎えました。ゲームを通じて本当に果敢にプレーしてくれる選手たちの姿が本当に目に焼き付いています。これぞ町田の魂なんだというものをしっかり表現してくれたなというふうに思っています」と話した。
選手の特長を生かそうとフォーメーションを変えたことも奏功。ポイントとしたセカンドボールが拾え、素早く攻撃に展開できたことが大きかった。
「(FC東京は)前向きに荒木選手にプレーされるというところは、かなり注意深くやっていたところ。そのシステムの中で下田がかなり堅実にプレーさせないようにやってくれた。また、(DFライン)3枚の中央に入ったチャン・ミンギュが相手を前に向かせないハードな守備を見せてくれた。そのへんがすごく肝になる部分でもあった」
敵陣、自陣においてゾーンディフェンスからのスライドもほぼ完璧。狙い通りのいい守備からいい攻撃を仕掛けての3得点だった。
黒田監督は試合前日、来季の契約更新を発表したばかり。「ファン・サポーターの方々も来年もよろしく頼むっていうね、声があちこちで聞こえたので、その言葉はやっぱりうれしかったです」。
そして今季4度目の国立開催で初勝利。青森山田高の監督時代はこの国立で栄冠を手にしているだけに「この国立では、やっぱり本当に戦う姿勢を持って、走りに走って、そういう気持ちでやらないと絶対に勝利の女神はほほ笑まないというのが今日の戦うためのベースだった。私も高校時代はここで何度もプレーさせていただいて、やっぱり勝利に導いた時には、そういう気持ちで取り組んだあの時代があったので。そんなことがすごく頭によぎりながら、今日はテクニカルエリアに立たせてたいただいた」。そして「私の続投ということよりも、この選手たちが1つになれた。そして自分たちのサッカーをもう1回確認できたことがすごく大きかった」と言ってほほえんだ。
これで勝ち点は63となった。翌日に試合を控える首位神戸とは勝ち点4差、2位広島には2差に縮め、プレッシャーをかけることに成功。残り2節、優勝の可能性を残した。
【得点】
▽前半15分 白崎凌兵(アシスト=エリキ)
▽後半4分 オ・セフン(アシスト=白崎)
▽後半34分 相馬勇紀