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【阪神】FA宣言せず残留の糸原健斗 単年契約を選んだ理由は「来年が分岐点に」32歳の覚悟


阪神タイガースの糸原健斗選手が国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、チームに残る決断をした。甲子園での会見で、糸原はチームへの強い愛着と、再び優勝を目指す意志が第一の理由だと語った。32歳の誕生日を迎えた糸原は、長年お世話になった球団に感謝しつつ、レギュラー復帰を目指す意気込みを示した。2023年シーズンでは打率が低迷したが、来季はチームに恩返しし、勝負の年としたいと決意を述べた。現状維持の年俸7000万円での契約更新を選択し、再びチームの一員として戦う意思を示した。

FA権を行使せず残留を表明し会見する糸原(撮影・加藤哉)

阪神は12日、糸原健斗内野手(32)が今季取得した国内FA権を行使せず残留すると正式発表した。糸原は甲子園を訪れて取材に応じ、チームへの愛着と、阪神でもう1度優勝したい気持ちが第一の理由と明かした。「このチームでもう1回、優勝、日本一の喜びを分かち合いたいと思いました。ずっとお世話になっている球団だし本当に(選択肢の)一番はタイガースという思いはありました」。

11日が32歳の誕生日だった生え抜きの8年目。かつての主力にとって、自分を律するための選択でもあった。合意条件は現状維持の年俸7000万円。複数年契約も提示されたが単年契約を選んだ。今年も左の代打の切り札として開幕。前半戦は佐藤輝の代わりにスタメンで活躍するなど存在感を見せた。ただ勝ちパターンの投手との対戦が続くなどして、次第に成績が下降。89試合で打率2割1分6厘と満足とはほど遠い成績で終えた。

「ふがいない成績が続いている。来年が分岐点、勝負の年なので、1年1年の方がいいと思った。チームに恩返しというか、感謝したいというのもある」。もう1度、レギュラーへの挑戦する意気込み。終始厳しい表情を崩さず、来季にかける覚悟を示した。【柏原誠】

◆糸原健斗(いとはら・けんと)1992年(平4)11月11日生まれ、島根県出身。開星-明大-JX-ENEOSを経て16年ドラフト5位で阪神入り。18、19年には全143試合出場。23年から代打での出場が増加。今季の代打起用72度は12球団最多だった。175センチ、78キロ。右投げ左打ち。

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