「新型コロナウイルスの影響で、収入が減って困っている」などと、突然電話をかけてくる「北海道海産物詐欺」被害が増えている。
トレンドニュースキャスター取材班にも、実際にかかってきたため、被害実態を追った。
女性からの突然の電話
3月13日午後4時半ごろ、取材班のスマートフォンに、その電話がかかったきた。
0800-500から始まる番号で、「こんにちは。〇〇さんですか? 北海道の札幌海鮮市場と申します」と女性が名乗った。
実は、その1時間前にも非通知で電話がかかってきたが、こちらが「〇〇です」と電話に出ると、切れてしまった。
この非通知の電話で、番号がつながるかどうかを確認し、名前をキャッチしようとしていた可能性も考えられる。
ぜひ助けてほしい
その後、「コロナ禍で困っているので、ぜひ助けてほしい。2万円で鮭や数の子松前漬け、ズワイガニ、ホタテ貝柱、イカ一夜干しなどよい物を厳選して、特別に詰められるだけ詰めてお送りします」と語った。
「ホームページで商品が確認できないか」と尋ねると、「そういったものがないので安くできる」と女性が回答。
取材班が、「詐欺ですよね?」と問いかけると突然電話を切った。
その後、この業者に取材しようと、その番号にかけてみたが、ずっと話し中。
コロナ禍で相談件数急増
国民生活センターは、トレンドキャスターの取材に対して「海産物電話勧誘販売は、古典的な手法で、すでに10年前から被害相談があった。ただし、コロナ禍で相談件数が急激に増えた」と話す。
2020年度は2,280件だった相談件数が、2021年度は5,189件と2倍以上に急増。
「買ってもらわないと困る」という強引な手法が目立つという。
また、「電話で名乗る業者名は、その都度変えているようで、〇〇物産など数百件の事例報告があがっている」と担当者。
半額以下の粗悪品
電話がかかってきた際に断っても、代引きで商品が送りつけされるケースもある。
届いた商品は、粗悪品で、実際に支払った金額の半額以下だという。
国民生活センターは、「まず電話で断る。代引きで送られても、注文していない商品は、受け取りを拒否することが鉄則」と話す。
実際に受け取ってしまった場合、一定期間クーリングオフ制度を使えるが、販売業者に連絡が付かないため、被害金額を取り戻すことが難しい現状だ。