
西島秀俊(54)主演の、米Amazonの映画、ドラマ製作部門Amazon MGMスタジオ制作の新ドラマシリーズ「人間標本」(廣木隆一監督)が、プライムビデオで12月19日から全5話一挙、世界配信されることが13日、都内で開かれた制作発表会見で発表された。
息子役を演じる歌舞伎俳優の市川染五郎(20)は現代劇ドラマには初出演となる。おばの松たか子(48)が「人間標本」の原作者・湊かなえ氏(52)の原作を映画化した10年「告白」に主演しており「おばの松たか子が『告白』で主演しており、ご縁を感じ、お話を受けさせていただいた」と、松と湊氏の縁を感じたことが。オファーを受けた1つのきっかけだったと明かした。
「人間標本」は、「告白」「母性」「ユートピア」などで知られる作家・湊かなえ氏(52)が、デビュー15周年を記念して23年に書き下ろした同名小説を原作とする実写ドラマです。“イヤミスの女王”と呼ばれる同氏が、10年来温めてきた「親の子殺し」というセンセーショナルなテーマに正面から挑んだ。
ちょうの研究者の榊史朗教授が、息子の至を含む6人の少年たちを「人間標本」にしたと衝撃の告白から始まるミステリーサスペンス。同氏自身も「本当にイヤな物語」「一番面白い作品が書けた」と自負し、発売当初から“湊かなえの真骨頂”として大きな話題を集めた作品。西島が榊史朗教授、染五郎が至を演じた。
染五郎は「歌舞伎はもちろん、ほとんどの場合(衣装が)着物で、化粧が白塗りで、かつらを着ける。まず、かつらがないのに違和感…頭、軽いなと不思議な感じ」と、かつらを着けないことに違和感を覚えたと明かした。さらに「ビジュアル、髪形を話させていただいた。比較的、長めの髪でいた。歌舞伎は短く切らないと(かつらの中に神が)収まらないものですから…。眉もそりますので、髪が長く、眉の長い自分を見て(演じた)至がいるなと」と髪が長く、まゆがある自分が新鮮だったとも語った。
おばの松や父の松本幸四郎(52)から今回、アドバイスを受けたか? と聞かれると「アドバイス、今回はあまりなかった」と口にした。その上で「時代劇でも、映像に初めて出る時、父からは『とにかく、いろいろなパターンを試し、監督、スタッフが選んでくださる。いろいろなパターンを用意するように』と」。こう以前、受けたアドバイスを口にした。
そして「舞台は生でお見せするものだが、その瞬間を切り取る映像こそ、ライブじゃないか。一瞬を切り取る」と、父から以前、受けた言葉を紹介し「父の以前の言葉を思い出しながら撮影に臨みました」と振り返った。
◆「人間標本」 人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな…。ちょうが恋しい。ちょうのことだけを考えながら生きていきたい。ちょうの目に映る世界を欲した私・榊史朗(西島秀俊)は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちはちょうなのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。-幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子・至(市川染五郎)の姿もまた、ちょうとして私の目に映ったのだった。