
23年に73歳で死去した歌手八代亜紀さんの「フルヌード写真」付きCDが、鹿児島市のレコード会社から21日に予定通りに発売されることが20日、分かった。
大手レコード店のオンラインショップやECサイトでは予約・販売ができない状態になっているが、販売する「ニューセンチュリーレコード」では通信販売を実施している。同社ではこの日、電話取材に「予定通りに販売します。問い合わせの電話がかなりきていて、既に一部の発送をしています」と明かした。これまでに同社は「約25年前に250曲以上の原盤権や八代さんの私的な写真や手紙などを買い取りました。こちらに所有権があるし、売買契約書もある」と販売の正統性を主張している。
一方の八代さんの著作権や肖像権を管理する「八代ミュージック&ギャラリー」はこの日、「現在、八代さんのご遺族が刑事民事を問わず、あらゆる手続きの準備を進めている」と法的措置を取る方針をあらためて明かした。
八代さんの「フルヌード写真」付きCD発売を巡っては批判の声が相次いでいる。出身地・熊本県の木村敬知事は16日の定例会見で「県民にとっての誇りである八代さんが冒涜(ぼうとく)されることのないよう、切に願いたい」と発言。オンライン署名サイト「Change.org」では「八代亜紀さんの尊厳を保護し、リベンジポルノを阻止する」とする署名活動が行われ、20日午後5時時点で4万人以上が賛同している。
識者の間からは「死者に肖像権はない」「リベンジポルノ防止法に違反する可能性もある」などの声が出ている。