
NHK連続テレビ小説「あんぱん」出演中の北村匠海(27)がこのほど取材に応じ、作品の見どころなどを語った。
「アンパンマン」作者の漫画家やなせたかしさんと小松暢さん夫妻の半生をモデルとした物語で、これまでは主人公らの幼少期が描かれており、放送開始3週目に突入する14日から北村も本格的に登場する。
演じるのは、やなせたかしさんモデルの柳井嵩。今田美桜演じるヒロインで、やなせさんの妻にあたる朝田のぶのパートナーという重要な役どころだ。生前のやなせさんのインタビュー動画などを研究したといい「その思想や哲学、戦争への思い、アンパンマンの話などを食い入るように見て聞いていました」。
作中では絵を描く場面や戦争のシーンにも取り組んだ。北村自身も小学生のころは絵画教室に通うなど描くことは好きだったといい「美大に行きたかった時期もあったんですよね。僕はよく抽象的な絵を描いていました。学生の頃は、机いっぱいに絵を描いて先生に怒られていたくらいで。病んでる?って言われるくらいずっと描いていたんですよ。そうしたところはやなせさんにそこは通じるところもあるかもしれないですね。ある意味、運命的な役との出会いかなと思います」。
今作は戦前、戦中、戦後の時代を生き“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」が生まれるまでの愛と勇気の物語だ。戦争シーンの撮影では「つらさが演じている全員に漂っていて。心技体全てがしんどいですね」と振り返る。「自衛隊の方だったり、日本のために働いている方をすごく尊敬しています。撮影では箇条書きで書かれたようなことが毎日進んでいくので大変でしたけど、この時代だからこそしっかり描かなければと。身を粉にしてやっています」と力を込めた。
意外にも朝ドラ出演は初めてだ。「やっぱり役者人生の指標になるものだなと考えていた時にオファーをいただきました。『あなたしかいない』というお声がけをいただいて、それくらい信頼を置いていただけるというところに心を打たれました」と語った。
ここから約半年間、全身全霊でやなせさんが伝えたかったメッセージを体現していく。【松尾幸之介】