
世界3大映画祭の1つ、第78回カンヌ映画祭(5月13日開幕)のノミネートが10日、フランスで行われた会見で発表された。ある視点部門に、広瀬すず(26)主演の日英合作映画「遠い山なみの光」(石川慶監督、今夏公開)がノミネートされた。日本映画の同部門への出品は、24年の「ぼくのお日さま」(奥山大史監督)に続き2年連続。広瀬の出演作がカンヌ映画祭に出品されるのは、15年にコンペティション部門に出品された、是枝裕和監督(62)の「海街diary」以来10年ぶり2作目。広瀬と初共演の二階堂ふみ(30)は初となる。
「遠い山なみの光」は、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロ氏(70)の、1982年(昭57)の長編デビュー作の映画化作品で、同氏が生まれた50年代の長崎と80年代の英国が舞台。広瀬が演じた主人公の悦子は、英国人の夫との間に生まれた娘ニキが、大学を中退し作家を目指そうと執筆のために自宅を訪れ、数日を共にする中で、最近よく見る長崎で暮らしていた頃に知り合った謎多き女性・佐知子と幼い娘の夢について語り始める物語。二階堂は、佐知子を演じた。撮影は24年9月に終了した。
石川慶監督(47)の作品がカンヌ映画祭に出品されるのは初めて。イシグロ氏も、1994年(平6)に米俳優クリント・イーストウッドやフランスの女優カトリーヌ・ドヌーブらと共にコンペティション部門の審査員を務めたが、出品者側として参加するのは初めて。