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早川千絵監督「ルノワール」カンヌ映画祭コンペ部門出品、長編映画2作目で連続ノミネートの快挙


早川千絵監督の新作「ルノワール」が、第78回カンヌ映画祭のコンペティション部門にノミネートされました。この作品は、80年代の日本を舞台に、父の闘病と母の仕事に翻弄される11歳の少女・沖田フキが主人公です。彼女の豊かな想像力と大人たちとの関わりを通して、家族や人間関係の微妙な感情を温かく描き出します。早川監督は、前作「PLAN 75」で注目され続け、今回のノミネートに至りました。主演の鈴木唯や、脇を固める実力派俳優たちの演技も見どころです。映画は国際共同製作として、日本を含む5カ国で撮影されました。

(C)2025「RENOIR」製作委員会/International Partners

世界3大映画祭の1つ、第78回カンヌ映画祭(5月13日開幕)のノミネートが10日、フランスで行われた会見で発表された。早川千絵監督(48)が脚本も手がけた新作「ルノワール」(6月20日公開)が、最高賞パルムドールを争うコンペティション部門にノミネートされた。日本映画の同部門への出品は、役所広司(69)が男優賞を受賞した「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)、坂元裕二氏(57)が脚本賞を受賞した「怪物」が出品された23年以来2年ぶり。18年に是枝裕和監督(62)の「怪物」が受賞して以来の、パルムドール受賞を目指す。

カンヌに見出された早川監督が、着実にステップアップし、パルムドールを争う舞台に立った。22年に長編映画初監督作「PLAN 75」が、同映画祭ある視点部門に出品され、新人監督賞「カメラ・ドール」受賞はならなかったが、同賞に準ずる監督に授与されるスペシャルメンションを授与された。長編映画2作目で、2作連続でのカンヌ映画祭出品は快挙だ。

「ルノワール」は、日本がバブル経済真っただ中だった80年代後半の夏を舞台に、闘病中の父と仕事に追われる母と暮らす11歳の少女・沖田フキを主人公に物語を展開。マイペースで想像力豊かなフキは、空想にふけりながら、それぞれに事情を抱えた大人たちと触れ合う。子供特有の感情を細やかに描写するとともに、フキが関わる大人たちの人生の、ままならなさや人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアを持って描き出す。高齢化社会が深刻化し、75歳以上の高齢者が自ら生死を選択できる制度「プラン75」が施行された、近未来の日本を描いた「PLAN 75」とは、ひと味違った作品だ。。

12歳の新鋭・鈴木唯が、役柄と同じ11歳で多数の候補者の中からオーディションで主演に大抜てきされた。フキの母詩子を石田ひかり(52)、闘病中の父圭司をリリー・フランキー(61)が演じた。フキが出会う大人たちを中島歩(36)、「PLAN 75」に引き続き河合優実(24)、さらに坂東龍汰(27)と、各年代の実力派俳優が演じた。日本、フランス、シンガポール、フィリピン、インドネシアの国際共同製作で、24年7~9月に国内、同11月には海外で撮影が行われた。

自身、母でもある早川監督は、23年にブルーリボン賞監督賞を受賞した際、日刊スポーツなどの取材の中で、子どもの頃に地域の子供会の映画上映で、81年の映画「泥の河」(小栗康平監督)を見て映画監督を志したと明かした。その上で「(長編映画)1作目が社会的なテーマだった反動で、パーソナルな家族の物語を作ってみたい。脚本を書き始めたばかりですけど『泥の河』に心引かれた自分の年ごろの、子どもから見た世界を描きたい」と次回作の構想を語っていた。

◆「ルノワール」1980年代後半のある夏。11歳の沖田フキ(鈴木唯)は、両親と3人で郊外の家に暮らしている。時には大人たちを戸惑わせるほどの豊かな感受性を持ち、得意の想像力を膨らませながら自由気ままに過ごしていた。時々、垣間見る大人の世界は刺激的だけどなんだか滑稽で、フキは楽しくて仕方ない。だが、闘病中の父圭司(リリー・フランキー)と仕事に追われる母詩子(石田ひかり)との間には、いつしか大きな溝が生まれていき、フキの日常もいや応なしに揺らいでいく。

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