
元大阪市長で弁護士の橋下徹氏(55)と中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也氏(62)が6日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」(日曜午後1時30分)に出演。元フジテレビアナウンサーAさんに対する元タレント中居正広氏の性暴力を認定したフジテレビの調査報告書について白熱の議論を交わした。
3月31日に公表された第三者委員会の調査報告書は394ページに及び、中居氏とAさんとのトラブルを「業務の延長線上」における性暴力と認定した。
性暴力の認定が荒いと主張する橋下氏は「女性に対するフジテレビの対応はダメだし、女性をきっちり保護しないといけないのはそのとおり」と前置きした上で、「報告書の中でも、全員が断れないわけではない。危ないような業務の場合は、報告・連絡・相談を絶対にやらなきゃいけない」と主張した。
これに、野村氏は「それだと、今回の女性がそうすべきだったと聞こえちゃう。僕はそれは言っちゃいけないと思う」と反論。「女性は守るべきだけど、これが一般的になってもよくない」と訴える橋下氏に「一般論だったらさ、後になって考えてみれば『そうすれば良かった』って反省もあるかもしれないけど、その時の精神状態を考えたときに、その発言はまずい」とたたみかけた。
橋下氏は「女性は守ったらいいんですよ」と返したが、野村氏は「守ってないですよ。報告すべきだったのに報告しなかったって論理になっちゃうから」と強調した。
さらに、「この報告書で、全部自分の社員に『行くな』ってことはやめてくださいと」と主張する橋下氏を「そんなこと言ってないのよ」と制し、「今回の事象の評価の段階のところで、女性がね、ちゃんと寄り添ってもらえるようなアナウンス部長がいたんだから、その人に報告すればこのことは起こらなかったんじゃないかというストーリーにはできなくて、私が見る限り、あそこの会社の中では彼女は金縛りにあっているように、これに応じ続けなければ、自分はこの仕事をやり続けることができないんだというふうに思ってしまっていた」と論じた。
これに、橋下氏は「個別事例としてね。後で、実態でトラブルとなることはあり得るわけだから、今回の報告書があったとしても、個別事例の事案であって、一般論としては『危ないな』と思ったときは、報告・連絡・相談って言うのは絶対に外しちゃいけない」と訴えていた。