スティーブン・キングの小説『IT』を再映画化し、2017年に大ヒットした『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』。その完結編となる『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』が11/1よりいよいよ公開。監督のアンディ・ムスキエティと、実姉でプロデューサーのバルバラ・ムスキエティが来日を果たした。
10/25に行われたファンミーティングに登壇し、アンディは劇中のペニーワイズのダンスを自ら伝授するなど、日本のファンとの交流を楽しんでいた様子。そんなお二人に、待望の公開となる本作についてお話を伺うことができた。
――原作者のスティーブン・キングは、今作の脚本に関わるようなことはありましたか?
アンディ「キング本人が脚本に何か手を入れたりすることはなく、自分たちで脚本を完成させました。主に脚本家のゲイリー・ドーベルマンと、僕ですね。“小説”と“映画”にはそれぞれの言語がある。原作のスピリットは活かしつつも、それを映画の言語に変換している感じなんです」
バルバラ「小説を映画化する上でどうしても変える必要が出てくる。たとえば小説版のラストと映画のラストは大きく変えている部分があります。アンディは原作を尊重しつつ、映画としてとても良いものに仕上げたと思う」
――1のルーザーズクラブの子役たちと、2の大人になったルーザーズクラブのキャスト陣、それぞれにどんなリクエストをしましたか?
アンディ「1の子どもたちには、時代設定が80年代なのでその時代の言い回しをお願いしました。今の言葉と大きな違いがあるわけではないけどね。2の大人たちには、私からの提案は一つだけ。「子供の演技をよく見てください」ということ。彼らのボディ・ランゲージを大人版にして取り入れてほしいと言ったんです。どれくらい反映させるかというのは俳優の彼らに任せました。
大人になったエディ役のジェームズ・ランソンには、これ(しゃべりながら、手のひらを立てて小指側を見せるマイム)をやってくれとお願いしましたね。子供時代のエディを演じたジャック・グレイザーがよくやっていたんです。すごく特徴的ですよね(笑)。ベバリー役のジェシカ・チャスティンは、自分の手を握る仕草ですね。子供時代を演じたソフィア・リリスは、ちょっとぎこちない感じの人なんです。手のやり場がない感じで、自分の手を握っている。それをジェシカにも再現してもらった」
バルバラ「1はほとんどの子どもたちにとって初めての映画だったんです。レイティングがついた映画なので、「汚い言葉を使ってもいいよ」と言っていましたし、むしろ勧めたところがあります(笑)。最初はみんな恥ずかしがって遠慮してるんだけど、どんどんエキサイトしていって、汚い言葉を使わないとしゃべれなくなってきた(笑)。特にジャック・グレイザーね!」
アンディ「F-F-F-Fuckin’!!ってね(笑)。ジャック・グレイザーはすごく早口で、5秒の間に10個ぐらい汚い言葉を入れられるんですよ! でもそうしたらジャックのお母さんがすっ飛んできた(笑)」
バルバラ「いじめっ子と対峙するときの演技はアドリブだったんだけど、アンディが「君はいまめちゃくちゃ怒ってるんだから、その怒りを表現してくれよ!」と言ったんですよ。そうしたらほんとにひどい言葉を叫んじゃったのよ(笑)」
アンディ「日本だったらいいんじゃない? “CUNT”って言葉なんだけど、アメリカではみんなその言葉を聞くと「ハーッ」(口を両手で覆いながら目を見開いて)ってドン引きしちゃうんだけど、僕なんか「え、ただの言葉じゃん」と思っちゃう(笑)」
バルバラ「そのときジャックのお母さんが丘から走ってきてジャックの首根っこつかんで「“Cワード”はダメよ!!」って(笑)」
(一同爆笑)
――1でも2でも思ったことなんですが、子供の頃に抱く“怖い想像”が、見事に映像化されているのに驚かされます。ああいったビジュアルのインスピレーションはどこから来ているのですか?
アンディ「恐怖シーンのビジョンはやはり自分の内側から出てきたものです。“IT”が姿を変えるものは、小説からはほとんど変えているんです。たとえば1でスタンリーが怯えていた、フルートを持った女性の肖像画ですね。私はモディリアーニの描く肖像画がずっと怖くて、それが反映されているんです」
バルバラ「アンディは自分の“内なる子供”と強くつながっている人なのよ」
アンディ「小さいときに怖かったものをよく覚えています。ホラー映画をたくさん見ていたので、アクティブな想像力が育ったのかもしれないですね。僕はいつも最悪のパターンを想像をしていたんですよ、特に超自然的存在やゴーストに関してね!」
『 I T/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』
11月1日(金)全国ロードショー
※バルバラさんが持っているのは、コトブキヤから発売されている『ぴたぬい ペニーワイズ』。撮影用小物としてお渡ししたところ、「かわいい! どこで買えるの?」と購入する気マンマン。お土産としてお持ち帰りいただきました!
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