『多十郎殉愛記』公開記念舞台挨拶に高良健吾、多部未華子ら登壇
映画『多十郎殉愛記』の公開記念舞台挨拶が都内で行われ、主演の高良健吾をはじめ、多部未華子、木村了、寺島進、中島貞夫監督、主題歌を担当した中孝介が登壇した。
中島貞夫監督からの手紙に感激の高良健吾「なんか斜に構えてすみません」
同作は、「木枯らし紋次郎」シリーズ、「まむしの兄弟」シリーズ、「真田幸村の謀略」など、50年以上に渡り数々の娯楽大作を世に送り出してきた中島貞夫監督が20年ぶりにメガホンをとった⻑編時代劇。
高良が演じたのは、根無し草のように生きながらも、ひとたび剣を持てば凄まじい強さと色気を放出する主人公・多十郎。高良は同作の公開について「嬉しいんですけど、寂しさもあります。中島監督の20年振りの長編で主演をさせていただいて、京都の太秦で、しかも時代劇をできる。さらに殺陣の稽古も出来るっていう、それだけでもラッキーだと思いました。30代最初の主演だったので、10代、20代と色々させてもらったけど、そんな中で自分に落とし前を付けられるような仕事なのかなと思いましたね」とコメントした。
また高良は、今回始めて本格的に挑んだという殺陣の稽古について「本番まで何をやるのかはわからないんですね。実際現場に行って、そこでやるという。難しかったんですけど、なんでそういうやり方なんですかって聞いたら、10割覚えても6〜7割しかできないんですよね。でも稽古でやったルールだったりが入っているので、次どうくるんだっけとか、自分の中で考えたり思い出したり、アンテナを張っている感じが、命の本当のやりとりに見えるということらしいんですけど、それが難しくもあり面白かったです」と、エピソードを明かした。
多部は「京都での撮影っていうのは緊張もしますし、映画を撮るのに特別な場所っていう意識があって参加させていただきました。着物を着て所作も教えていただいたりとか、京言葉も難しかったんですけど、刺激的だし、がむしゃらに一日一日参加させていただきましたね」と回顧。さらに自身が演じた、おとよという役柄について「母性愛が強いという、これまであまり自分に求められた役柄ではなかったので、大変でしたけど楽しく参加させていただきましたし、やって良かった作品になりました」と語った。
さらに高良は、多部とのキスシーンについて「この映画では、時代劇には珍しいキスシーンがあるんですけど、それが台本には書いて無くて。行ってから監督が『そこでおとよとブチュ』って。え、僕大丈夫ですけど、多部さん大丈夫かな・・・って思って、多部さんに聞いたら『はい』って。あ、そういう感じ?ってサッと。それは覚えてます」と暴露。多部も「そうですね。あの日がマネージャーさんとスタッフさんがざわついて。『監督がいきなり言い始めた』みたいな」と同調した。
中島監督の63作目の作品となる同作が、平成最後に公開される時代劇であることを記念して、中島監督にケーキと花束が贈られる場面も。その後、ケーキと花束を受け取った中島監督からは、キャスト一人ひとりに向けて手紙が贈られた。
監督から「多十郎になりきったこの一ヶ月。かつて付き合った優れた役者たちが一様に持っていた根性みたいなものを君にみたとき、ゾッコン、嬉しかったです」などと書かれた手紙を受け取った高良は、「他の現場とか他の舞台挨拶で手紙をもらって、そこで色んなことが起きているのを見ていて、手紙ってなぁ、人前で読むのもなぁとか、自分に書いてもらった手紙をみんなに知られるのも、そこで感情が出るのも恥ずかしいよなとか、思ってたんですけど、実際初めてこういうことをしてもらって、『あ、こういうことか』って。なんか斜に構えててすみませんっていう感じがしました。嬉しいです」とはにかんだ。
最後に高良は、「最初の挨拶で、嬉しいんですけど寂しいって言ったのは、中島監督と会う機会が、今日で少なくなるっていうのが寂しいんですね。このお話がきた時に、監督の最後の長編だっていうのを言われていたんですけど、現場の監督の輝きというか元気は想像以上で、『これ最後じゃないでしょ。あと1本2本行くんじゃないのかな』って思ったんです。監督が言っていたのは『人に観てもらって、人にとってあるものになったら、次がまた行けると思うから、だからこれは頑張らなきゃいけないんだ』っていうことで、きっとこの多十郎というものが多くの人に観てもらうことができたら、中島監督の次を見ることができると思うので、僕も見たいですし、運良く関われたらいいなと思います。なかなか今の世の中にないような時代劇できっと多くの人に楽しんでいただけるようなものになっていると思うので、ぜひ多くの方に観ていただきたいです。そして、また中島監督の次の作品が見たいです。どうか力を貸してください。ありがとうございました」とメッセージを送った。
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発信地・日本
<文・デザート編集部>