欲しくても猫を飼えない高齢者のために
ニュージーランド北島のベイ・オブ・アイランズ地域で2023年に始まった「Companion Cats」プログラム。これはペットを飼う金銭的余裕のないお年寄りに、高齢の保護猫の「長期の里親」になってもらう制度です。
猫の保護と飼い主探しを行う団体「Coast to Coast Cat Rescue」がこの制度を担っています。養育ボランティアとして長年活動しているBarbara Nicholasさんはこう話します。
「世話をして愛情を注ぐペットがいるのはすばらしいことです。でも多くの人々は子猫を欲しがります。このため保護施設にはたくさんの大人の猫が残されてしまうのです。一方で、ペットを飼いたいと思っても、餌や獣医の費用、猫砂など必需品を買う余裕がない高齢者もいます」
ペットにかかる「金銭的負担」はゼロ
「そこでCoast to Coast Cat Rescueは、成猫とお年寄りの縁結びをすることにしたのです。双方にとってメリットは大きいです。猫はしばらくの間家族ができるし、人間は必要なだけペットを飼うことができますからね」
地元企業の金銭的支援を受けてCoast to Coast Cat Rescueが猫を飼う費用を負担するため、高齢者は経済的な心配をする必要がありません。フード、猫砂、ノミや寄生虫の駆除、獣医費用が提供されるうえ、飼い続けられなくなった場合は、団体に猫を戻すことも可能です。
Barbaraさんは自宅で7匹の猫を飼っており、そのうち4匹は元保護猫です。彼女は高齢者とCoast to Coast Cat Rescueの連絡係として、食べ物や猫砂など必要なものを調達するボランティア活動をしています。
猫がいることで、高齢者も健康に
同団体のSam Stewartさんは次のように話してくれました。
「成猫は子猫よりも飼い主を見つけにくいため、常時約60匹の猫が施設で暮らしています。一方で多くの高齢者が『猫が欲しいけれど、収入が限られていたり自分が亡くなったあとが心配で飼えない』といいます。成猫は高齢者のペットとして理想的です。成熟した猫は落ち着きがあり、求めるのは飼い主の膝の上に座って愛情を注いでもらうことだけなのですから」
「ペットは高齢者の心身の健康によい影響を与えます。猫を飼うことで目的意識を持つようになり、社会と交わり、愛情を注ぐ対象も得られます。うつ病や不安の症状も軽減できるのです。猫のゴロゴロ音を聞くと人間の神経が落ち着き、血圧が下がることがわかっています。心拍数も改善するといいます」とSamさん。
70代後半のBarbaraさんにとっても、猫たちはよい話し相手だといいます。
「猫は偏見を持っていません。どんなにバカなことをしても決して批判しません。わたしが元気に活動できるのも、きっと愛猫たちのおかげですね」
出典:Far North animal rescue charity launches new cat companion programme pairing adult cats with elderly
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