1.感染症にかかりやすくなる
免疫力が低下するとウイルスや細菌などの病原体から体を守ることができなくなります。そのため猫風邪をはじめとするさまざまな感染症にかかりやすくなります。
猫風邪のウイルスは一度感染すると、ウイルスが体内から消えることはありません。体内に潜伏しつづけて免疫力が低下すると、活性化し再び症状があらわれます。猫風邪のおもな症状は、咳、くしゃみ、鼻水などです。
そのほか皮膚炎を発症させる菌に感染しやすくなるなど、皮膚トラブルの原因にもなります。
2.ウイルスや細菌の感染による下痢
免疫力が低下していると、腸管に感染したウイルスや細菌が増殖しやすくなり、下痢を引き起こす場合があります。
下痢の原因となる菌はさまざまですが、カンピロバクター菌などの食中毒菌が下痢の原因になることもあり注意が必要です。
猫はカンピロバクター菌に感染しても、通常は症状が出ることはあまりありませんが、子猫や免疫力の低下している猫が感染した場合は下痢や嘔吐を引き起こします。カンピロバクターは人間にも感染する人畜共通感染症です。
また猫風邪のウイルスによっては、腸内で増殖して下痢の原因になることもあります。
3.癌のリスクが高くなる
免疫力と癌のあいだには深い係わりがあります。
白血球中に存在する免疫細胞は、癌細胞を発見すると攻撃して排除する働きを持っています。ところが免疫力が低下した状態では癌細胞を攻撃する働きも弱くなってしまうのです。
そうなれば当然排除されるはずだった癌細胞が生き残って体内で増殖を繰り返すこととなり、やがては癌を発症します。
つまり、免疫力の低下は癌のリスクを高くする要因ともなっているのです。
低下した免疫力を回復させる方法
猫の免疫力を低下させるおもな要因には栄養・腸内バランスの乱れ、運動不足、ストレスなどがあります。低下した猫の免疫力を回復させるためにはその逆が必要。つまり食事、運動、ストレスの管理が重要なポイントになるわけです。
猫の食事は、必要な栄養素を十分に摂取できる総合栄養食のキャットフードを基本とし、低下した免疫力を補う目的でサプリメントを使用しても良いでしょう。サプリメントを使用する際は獣医師に相談することをおすすめします。
猫の運動不足解消のためには、毎日数分だけでもいっしょに遊ぶ、キャットタワーを設置し上下運動ができるようにするなどの工夫が必要です。
また猫は人間にとって些細なできごとでも大きなストレスになってしまう場合があります。ストレスの原因はできる限り排除し、安心して過ごせるようにしてあげましょう。
まとめ
免疫力が低下するとさまざまな感染症にかかりやすくなります。しかも免疫力が下がった状態で感染症にかかると、重症化するリスクも高くなります。
したがって愛猫を病気から守りたいのであれば、日頃から免疫力を下げないように生活環境を適切に整えるのが早道です。
栄養バランスの優れた食事や適度な運動、ストレスの原因を排除するといった一般的な健康管理を心がけるだけで、通常は十分な免疫力を維持できます。
もし愛猫の免疫力が落ちていないかどうかが気になる場合は、あたえているフードの栄養バランスや毎日の運動量が適切かどうか、猫にストレスをあたえていないかどうかなどを見直してみると良いでしょう。
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