「〜なので」「なぜなら〜」と理由・原因を表すときに使われる接続詞because、since、as。
あなたは、これらを一緒くたにしてしまっていませんか?
また「話し言葉ではbecause、書き言葉ではsinceとasも使われているような…」なんて曖昧な人も少なくないと思います。実はこれら3つの接続詞には、微妙ではあるものの用法の違いがあり、もちろんネイティヴは意識して使い分けています。今回はその違いを例文を交えながら解説していきます。これを読んでマスターすれば、ワンランク上の「話す」「書く」ができるようになること間違いなし!
原因・理由を表すbecause、since、asの微妙な違い
ポイントは 「旧情報」か「新情報」かに注目
では「〜なので」「なぜなら〜」を意味する3つの接続詞because、since、asの違いについて解説していきます。
この違いを理解する上で一番大事なキーとなるのが、原因・理由の情報となる「〜なので」「なぜなら〜」の「〜」部分が新情報か旧情報かということです。どういうことなのか詳しく見てみましょう。
新情報なら”because”で原因・理由を強調
これから伝えようとする情報を聞き手、読み手がまだ知らない、把握していない時、その情報は相手に対して「未知の情報=新情報」となります。そして、その情報は話の中でも重要であり強調したい情報であると言うことができます。そのようにこれから伝える情報が新情報であり強調したい時に使われるのが、”because”なのです。そして、英語では新しい情報は文の後ろにもってくるという(暗黙の)ルールがあるので、because〜節は文章の後半に来ることが多いということも覚えておいてください。
【例文】
She was absent from school yesterday because she caught a cold.
「彼女は風邪をひいたので、昨日学校を休んだ」
→新情報「because she caught a cold(彼女は風邪をひいたから)」
I’m very sleepy now because I stayed up late last night.
「昨晩夜更かししたから、とても眠たい」
→新情報「because I stayed up late last night(昨晩夜更かししたから)」
I’m broke now because I lost in gambling.
「ギャンブルで負けたから今、無一文なんだ」
→新情報「because I lost in gambling(ギャンブルで負けたから)
旧情報ではなく結果に重点を置くなら”since”と”as”
反対に、聞き手や読み手がこれから伝える情報(原因・理由)をすでに知っている(=旧情報)、もしくは知らないとしてもそれほど重要ではないという場合は、原因や理由ではなく、むしろその結果に重点が置かれます。そして、そのような場合は”since”または”as”を用います。
また、”because”の時とは逆に、相手がすでに知っていること、もしくはあまり重要ではない部分を原因・理由として述べるので、文の前半に置かれることが多いということも押さえておきたいポイントです。ちなみに、”since”と”as”はフォーマルな表現であり、”since”は”as”に比べるとより少し形式ばった表現となります。それでは先ほどの例文と比較してみましょう。
【because】
She was absent from school yesterday because she caught a cold.
「風邪をひいたので、彼女は昨日学校を休んだ」
→新情報「because she caught a cold(彼女は風邪をひいたから)」
【since / as】
As / Since she caught a cold, she was absent from school yesterday.
「風邪をひいたので、彼女は昨日学校を休んだ」
新情報→「she was absent from school yesterday(彼女は昨日学校を休んだ)」
となります。since / asの文章では、文章後半が新情報となっていることが分かるかと思います。また、口語などカジュアルな英語では、since / asの代わりに、「She caught a cold so she was absent from school yesterday」のように、”so”が使われることも多いです。
【例文】
Since / As I was in a hurry, I left my umbrella on the train.
「急いでいたので、私は電車に傘を忘れてしまった」
新情報→「I left my umbrella on the train(私は電車に傘を忘れてしまった)」
Since / As it rained yesterday, we had to stay at home.
「昨日は雨が降っていたので、私たちは家にいなければならなかった」
新情報→「we had to stay at home(私たちは家にいなければならなかった)」
Since / As I overslept this morning, I was late for school.
「今朝寝坊したから、学校に遅刻した」
新情報→「I was late for school(学校に遅刻した)」
「日本語⇔英語」の1ペアでの丸暗記はキケン!
いかがでしたでしょうか。
日本語訳は同じでも意味や使い方が微妙に異なるという英語表現は、この他にも多数存在します。「日本語⇔英語」の1ペアで覚えるのではなく、気になる英単語や文法はその都度、細かくチェックするようにしましょう。そうすることが、結果的には効率的であり、正しい英語を身につけるための一番の近道となるのです。