はじめに
古き良き時代の文化に価値を見出す機運が高まり、雰囲気あるリノベ物件が増えつつある高雄。アートシーンを盛り上げようという動きも活発で、おしゃれなホテルも続々。客室数世界一を誇るIHG(インターコンチネンタル ホテルズ グループ)が台湾で初めて手がけたブティックホテル「高雄中央公園英迪格酒店(ホテル インディゴ カオシュン セントラルパーク)」もそのひとつ。モダンさとノスタルジックが共存した、話題のホテルの魅力に迫ります。
ロビーでは停泊中の黒船がお出迎え!?
MRT(地下鉄)の充実と共に、街がますます活気づいてきた高雄。「ホテル インディゴ」は、MRT中央公園駅からすぐの中心地にあります。高雄の街は、国際的な貿易港として賑わいを見せていた場所。約100年前は、諸外国の船が行き交い、さまざまな輸入品が運び込まれ、時代の先端をゆくモダンな空気が満ちていたそう。「ホテル インディゴ」は、好景気にわいた1950〜60年代の港町の面影を形にしたデザインが特徴です。最も象徴的なのは、エントランスの黒いオブジェ。一歩引いて見てみると、それが船首だと気付きます。
港町を象徴するアイテムをポップに表現
フロントへと歩みを進めると、ピンク色の無数の引き出しが連なるカウンターが。レプリカのスタンプを並べるなどして、税関のイメージを演出しています。極太ロープがうねった形をした紫色のソファは、係留用のロープワークがモチーフ。そんなふうに、港や船にまつわるデコレーションが随所に散りばめられていています。また、エジソン電球やプロペラといったインダストリアル系のアイテムは、高雄が重工業の街であることにちなんでいるそう。
エレベーターへ向かう床は船の甲板を模していて、ホール前にはレコード盤や古地図、時代もののお宝などをディスプレイ。当時を知る人には懐かしく、若い世代には新鮮なアイテムと映るようです。
向かいは公園。パークビューのお部屋が理想的
建物はL字型で、多くの部屋から高雄中央公園が見えるように造られています。公園に面した部屋では、カードキーを挿入すると、自動カーテンがゆっくりと開いて、まばゆいばかりの自然光がお出迎え……というサプライズを体験できます。ちなみに、カードキーのケースは高雄の古地図をデザイン。細部に至るまで、ホテルのコンセプトが貫かれています。
思わずポーズを決めたくなる、スタジオライクなインテリア
129室ある客室は、どの部屋もポップ。“記憶のスペクトル”をテーマに、関税スタンプ、舶来品、木箱、缶詰、当てクジの箱、駄菓子といった懐かしいアイテムをスタイリッシュに配していて、とってもフォトジェニック。
バスルームには、壁に古い住居に見られる六角形のタイルを採用したり、ドライヤーの収納袋が客家の花布製だったり、レコード型のコースターが使われていたり……客室内には、数え切れないほどの“レトロ”で溢れています。
また、朝食の海鮮粥、鍋焼き麺といったメニュー構成も、南部の庶民の食生活に触れる一コマ。高雄の魅力を若い世代に伝えたいという思いがお食事からも伝わってきます。
権威ある賞を次々受賞! ブティックホテル好きなら要チェック
オープンの翌年にあたる2018年は、ホテル業界のアカデミー賞といわれる“ワールド ラグジュアリー ホテル アワード”のブティックホテル部門、モダンスタイルホテル部門、デザイナーズホテル部門で入賞。また、イギリスデザイン界のオスカー賞と呼ばれる“インターナショナル デザイン エクセレンス アワード(SBID) ”では、客室デザインとパブリックスペースなどが評価されるなど、世界からの注目度も高まるばかり。この地に滞在するなら、高雄らしさが詰まった「ホテル インディゴ」へ。数々の受賞歴を持つその魅力を、あなた自身で確かめてみて。
◆高雄中央公園英迪格酒店(ホテル インディゴ カオシュン セントラルパーク)
住所:高雄市新興区中山一路號
電話:+886−7−272−1666