ホテルチェーン世界最大手のマリオット・インターナショナルによると現在、米国の法人顧客によるホテル予約が 4 月と 5 月の 2 倍に増加していることを明らかにした。同社最高財務責任者(CFO)のリーニー・オバーグ氏が J.P. Morgan 主催のフォーラムで語った。
「これは明らかに旅行需要回復の例だ。まだ航空旅行に比べドライブ旅行の需要が高いが、それでも確実に航空旅行の需要も改善している」とオバーグ氏は述べた。更に、新型コロナウイルスのパンデミックは 2021 年の法人向けニーズに実質的な影響を与えない可能性があるとも付け加えている。
「まだ面会を希望しない顧客も多いためオフィスに完全に人は戻っていないが、オフィスに人は増え始めている。出張に行ったという話も出始めており、非常に低い地点からのスタートではあるものの、着実に良い方向に進んでいるようだ」とオバーグ氏は述べた。
法人顧客による宿泊ニーズは依然として低いものの、直近では 4 月 5 月と比べると 2 倍にまで増加。足元では着実に改善傾向にあり、今後もさらなる回復に一定の期待ができる状況だ。
テレワークの普及後もホテルの利用ニーズは増加する可能性も
オバーグ氏によると、マリオットグループのビジネス需要の構成比について、40% が団体需要、40% が法人需要、20% が結婚式のようなイベント需要で構成されていると説明。
多くの企業や団体等では年次総会を開催しており同社の重要な収入源となっていたが、コロナ禍でその多くが長期に渡り開催を見合わせている。ただ、マリオットグループによると、 2021 年上半期に団体のキャンセルが数件あったが、下半期以降はキャンセルが生じていないという。
法人需要は景気動向により大きく左右される。「経済が健全な状態でなければ、法人需要を多く生み出し続けることができない。しかし今でも一定の需要があるという事実は、我々には非常によいと感じている。
また、テレワークにより仕事を進める企業からの需要が増える可能性もある。それら企業は遠隔地で仕事をする社員を一同に集めたいと思っており、そのニーズは我々にプラスに働くだろう」とオバーグ氏は述べた。
なお、中華圏については需要回復が続いており、8 月の稼働率は 65% だったようだ。更にアジア太平洋地域では、1 年前と比較して客室予約数が 30% 増加しており、オバーグ氏は「驚異的だ」と話した。
新型コロナウイルスのパンデミックによりホテル業界は個人需要だけでなく、法人需要も壊滅状態にある。新型コロナウイルス感染者数の収束も見られるが、一方でテレワークなど新たな宿泊需要も生まれてきており、ホテルの法人需要がどのような回復を見せるのか、今後注目を集めることになりそうだ。
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