茂木外相は 9 月 1 日、台湾、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマーとの間で、長期滞在者等の往来を可能とする「レジデンストラック」を 9 月 8 日から開始すると発表した。入国後 14 日間の自宅待機は維持されるが、追加的な防疫措置を講じることで入国拒否の例外となる。
茂木外相は「主に短期出張者向けに、自宅等待機期間中もホテル・仕事場等々限定的なビジネス活動を可能にするビジネストラックについても、これらの国・地域を含む各国・地域との間で、早期の運用開始に向けて引き続き調整を進めている」ことを明らかにした。
日本はすでにタイ、ベトナムとの間で 7 月 29 日からレジデンストラックの受付を開始。台湾、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマーとのレジデンストラック開始により、対象国は、計 7 カ国へ拡大される。
シンガポールについては、「レジデンストラック」に加え、入国後 14 日間の自宅等待機期間中も、行動範囲を限定した形でのビジネス活動を可能とする「ビジネストラック」についても、9 月中にも、シンガポールとの間で運用を開始する方向で調整中だ。
日本では、政府による国内旅行の需要喚起施策「Go To トラベルキャンペーン」に注目が集まっているが、その裏で、訪日外国人の受け入れ再開に向けた準備が着々と始まる。本特集では、日本と諸外国の間で進む外国人の受け入れ最新状況をレポートする。
先行スタートする「レジデンストラック」とは
・タイ(7 月 29 日)
・ベトナム(7 月 29 日)
・マレーシア(9 月 8 日)
・カンボジア(9 月 8 日)
・ラオス(9 月 8 日)
・ミャンマー(9 月 8 日)
・台湾(9 月 8 日)
タイやベトナムとの間ですでにスタートしている「レジデンストラック」とは、例外的に相手国又は日本への入国が認められるものの、相手国又は日本入国後の 14 日間の自宅等待機は維持されるスキームです。主に駐在員の派遣・交代等、長期滞在者向けです。
14 日間の自宅等待機はありますが、入国拒否の対象国であってもレジデンストラックの対象国であれば追加的な防疫措置を講じることで例外的に出入国できるようになります。
追加的な防疫措置としては、例えば外国人が日本に入国する場合、検査証明の提出や質問票(健康状態等)の提出、誓約書の提出、接触確認アプリの導入等を入国時に行い、入国後は 14 日間の自宅待機に加えて、公共交通機関の不使用、14 日間の位置情報の保存などが求められます。
【必要書類】
・有効な査証又は再入国関連書類提出確認書
・「検査証明」(又はその写し)(出国・出域前72時間以内(注)の検査の結果に基づいたもの)
(注)検体採取から搭乗予定航空便の出発時刻までの時間
・「誓約書(外国人レジデンストラック)(PDF)」
・「質問票」(入国便の機内において全乗客に配布されます。)
【その他必要事項】
・出国、出域前14日間の健康モニタリング
・入国時までの民間医療保険(滞在期間中の医療費を補償する旅行保険を含む。)への加入
・入国後14日間のLINEアプリを通じた健康フォローアップ
・接触確認アプリの導入
・入国後14日間の既存の地図アプリを通じた位置情報の保存
行動制限がより緩和される「ビジネストラック」とは
「ビジネストラック」とは、例外的に相手国又は日本への入国が認められ、「活動計画書」の提出等の更なる条件の下、相手国又は本邦入国後の 14 日間の自宅等待機期間中も、行動範囲を限定した形でビジネス活動が可能となる(行動制限が一部緩和される)スキームです。主に短期出張者向けです。
日本人を含めた入国者が 14 日間の自宅等待機期間中のビジネス活動を望む場合には、滞在場所や移動先、接触予定者などを記載した「本邦活動計画書」を提出することで、行動制限を緩和。入国直後からビジネス活動を可能とする。
【必要書類】
・「誓約書(日本人ビジネストラック)(PDF)」
・「本邦活動計画書(PDF)」
・「質問票」(帰国便の機内において全乗客に配布されます。)
(注)「帰国日届出受領証」は9月1日以降に帰国される方については不要となりました。
【その他必要事項】
・出国・出域前14日間の健康モニタリング
・帰国後14日間のLINEアプリを通じた健康フォローアップ
・接触確認アプリの導入
・帰国後14日間の既存の地図アプリを通じた位置情報の保存(PDF)
出入国規制の緩和は3段階で実施する方向
9 月 1 日に開かれた記者会見で、茂木外相は「レジデンストラック、長期の滞在者であったりとか、またビジネストラック、ビジネスの関係者、これから始めるということにしまして、その次には留学生等と、最終的には観光客も含めて一般という形で広げていく」と述べた。
出入国の規制緩和については、第一段階でビジネス人材、第二段階では留学生、最終段階で外国人観光客という 5 月の記者会見で示していた「段階的緩和」から方針は変わっていない。
9 月に入り、第一段階にあたるビジネス人材の緩和が本格化し始めた。このあと、第二段階の留学生での緩和が進むとみられる。最終段階となる外国人観光客の受け入れ再開については、まだ時間がかかりそうだ。
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