民泊仲介サイト世界最大手のAirbnbは4月23日、VR内見などVR(バーチャルリアリティ)コンテンツを提供するナーブと、民泊物件情報の提供などを目的とした包括的業務提携を締結したと発表した。
ナーブは住宅の内見分野において物件を疑似内見できる「VR内見」を商品化し、不動産事業者各社で数多く導入されている。VRコンテンツ化された物件は全国で約150万戸以上にのぼり、それらのVR物件データをVRプラットフォーム上で管理しているのが特徴。
Airbnbとナーブの業務提携により、不動産オーナーや不動産管理会社はナーブのプラットフォーム上から「簡単な申込」を行うだけで、住宅宿泊事業による民泊を希望する個人や法人に対して、住宅宿泊事業可の不動産物件の情報提供を行うことができるようになる。
ナーブは、この物件データをAirbnbのユーザー向け情報サイト(Airbnbコミュニティセンター等)に掲載して、Airbnbのユーザーに対する情報提供を行うという。
本業務提携は、AirbnbにとってVR事業を行うナーブとの業務提携となるが、Airbnbの物件をVR内覧できるようにする提携ではなく、あくまでも住宅宿泊事業の運営ができる物件情報の提供にとどまるようだ。
Airbnb、VRを通して民泊を「内覧」可能に
Airbnbは2017年にAirbnbにVR(バーチャルリアリティ・仮想現実)とAR(オーグメンテッド・リアリティ・拡張現実)を実装する計画を発表。
バーチャルリアリティ(VR)とは現実(リアリティ)であるかのように体験するための技術、ARは現実世界にコンピュータ内に存在する関連した情報を重ね合わせて表示する技術を指す。
AirbnbはARVR技術を用い、旅マエではVRにより部屋の様子を事前に把握できる体験を、旅ナカではARによりドアの開け方やお湯の出し方などを提供しストレスのない体験を目指している。
なお、VRやARはAirbnb上で正式リリースは行われておらず、最適な宿泊体験を提供するためのプロトタイプによる実証実験にとどまる。
ホテルの予約サイトとして知られるエクスペディアやブッキング・ドットコムでもVR技術を活用し、予約前にVRを活用して客室の様子をチェックできるサービスの開発が行われており、ホテルや民泊に限らず宿泊業界全体としてVRの導入が進む可能性がある。