日本旅館協会は、決済サービスを提供するPayPal(ペイパル)と業務提携を行い、約2,800の加盟する宿泊施設にペイパルの決済サービスの導入をサポートすると発表した。
導入施設は、事前決済によりノーショーや直前キャンセルによる機会損失の減少が見込めるほか、ペイパルや提携するサイトを通じて約1.8億人のユーザーへのアプローチを行い、地方への集客に貢献するという。さらに、施設側では利用者のカード情報を保持する必要がなくなるため、個人情報保護の観点からも有用だという。また、不正取引の際にも保護される制度も提供している。
すでに自社サイト予約システムの「FASTBOOKING」「予約プロプラス」では開発済み、「OPTIMA」「ダイレクトイン」「予約番」「宿シス」では7月にも開発が終了し、施設側はスムーズに導入できるという。ペイパルが徴収する手数料の料率も交渉の上決定したという。通常は1件あたり40円と月間取扱高に応じた2.9%から3.6%を徴収している。
現状でペイパル決済を導入しているのは日本旅館協会に加盟する数施設に留まっており、1年間で300施設でのサービス開始を目指す考え。あす6月15日に行う総会で施設側に提案するほか、各支部が行うセミナーなどを通じて導入拡大を促す考え。
ペイパルは1998年に設立した決済代行会社。IDとパスワードの入力のみで登録するクレジットカードによる支払いが可能で、202ヶ国・地域以上で100通貨以上での決済、57通貨での銀行口座入金が可能。アメリカ、イギリス、オーストラリア、フランス、ドイツで行った調査では、最もよく利用する決済方法との結果も出ている。