ホンダ・インサイトはホンダを代表するハイブリッドカーで現行は三代目だが、先行実験車的な性格が強く、各世代で大きくコンセプトが異なるため、各世代で名前が同じだけの別車種と捉えてもよいだろう。Motor-Fan TECHの会員の方々にもこのクルマのオーナーは少なくない。今回は現行三代目のオーナーにアンケートを実施。オーナーだからこそわかる燃費、不満、よいところを見てみよう。
三代目 ZE4型 (2018年~)
ホンダ・インサイトはホンダを代表するハイブリッド車であり、初代モデルは1999年に登場した。2009年に二代目が登場、2018年6月に登場した三代目が現行車になる。
本車は「ホンダの最新ハイブリッド技術の先行実験車」という性格が強いため、各世代で大きく性格が異なっており、「ファストバック・スタイルのボディをもった前輪駆動のハイブリッド専用車」という点だけが共通している。このため、各世代で同じ名前のまったく別のクルマと捉えた方がよいだろう。
現行のZE4型は先代同様のファストバック・スタイルだが、5ナンバー・サイズの5ドア・ハッチバックだった先代とは異なり、完全独立したトランクルームとトランクリッドを持った3ナンバー・サイズのクーペ風4ドア・セダンである。
パワーユニットは現在は「e:HEV」と呼ぶ独自の2モーター式ハイブリッドシステムで、新開発の1.5ℓ版。アトキンソンサイクルとi-VTECに加えて燃焼効率向上技術とメカニカルフリクション低減技術を投入して最大熱効率40.5%を達成している。
燃費性能はJC08モードで34.2km/ℓ、WLTCモードで28.4km/ℓを実現した(いずれも「LX」グレード)。回頭性・ライントレース性、緊急回避時の操縦性に貢献する「アジャイルハンドリングアシスト」も新採用されている。2020年5月にマイナーチェンジされている。
2019年式 EX 「生産数自体が少ないので、町であまりすれ違うことがないですね」
排気量:1.5ℓ+HEVトランスミッション:電気式CVT
平均燃費:22.5km/ℓ
長所:平均して20km/ℓ以上の高燃費。スッキリしたデザイン。
短所:高速道路での燃費が伸びない。ボンネットのダンパーが無く、棒で支えるタイプだった。価格の割に、内装の質感が低い。
評価
外観:★★★★☆
室内:★★★☆☆
走行性能:★★★★☆
燃費性能:★★★★★
装備:★★★★☆
満足度:★★★★★☆
このクルマの購入を検討している人にひと言
「生産数自体が少ないので、町であまりすれ違うことがないですね」
2019年式 LX 「セダンをお探しでしたら、この車も一度試乗をしてみると面白い発見があるかと思います」
排気量:1.5ℓ+HEVトランスミッション:電気式CVT
平均燃費:20km/ℓ(ホンダコネクト生涯燃費表示)(市街通勤2割、郊外4割、山岳ドライブ4割)
長所:高い静粛性と走行安定性。見かけよりもドライバーからの視界が広く運転しやすい。
短所:高回転キープでの走行場面ではエンジン音がうるさいだけに感じるので残念。
評価
外観:★★★★★ 今流のプログレッシブデザインのセダン、ボンネットはアルミ製で軽く、くり抜きデザインのため、ここだけギブリに似ていて面白い。
室内:★★★★☆ トランクスルーで見かけより広く使いやすい(HVなのにフラットになるので自転車も入る)。
走行性能:★★★★☆ スポーツモードにするとそこそこ元気に走るが、エンジン音は全く官能的ではない。 特に山岳ワインディングなどでは、車体性能がエンジンに勝っている感じなので安心感がある。
燃費性能:★★★★★ エコ走行を特段意識しなくても低燃費。
装備:★★★★☆ 山岳路で鹿が出てきたがドライバーより先に車がブレーキをかけて回避できた。
満足度:★★★★☆ 本当はUSで走っているのを見て欲しいと思ったのですが、日本版は豪華仕様になっていたのでビックリ。グリルなどは別に凝らなくても良かったのでUS同等の価格レンジで出してもらいたかったです。常に新しいトレンドや技術を最初に搭載することがホンダ・インサイトの使命だと思うので、 次はどんなものが創造されるのか楽しみです。そのうち空を飛んだりするようになるのかしら?
このクルマの購入を検討している人にひと言
「最近はSUV流行りですが、セダンをお探しでしたら、この車も一度試乗をしてみると面白い発見があるかと思います」