いまでこそすっかり珍しくなくなったアイドリングストップシステム。いずれも技術の肝は「いかに早く滑らかに再始動するか」である。マツダがSISSと称するシステムでとった手段は非常にユニークなものだった。
TEXT:世良耕太(SERA Kota)
2005年の東京モーターショーに、マツダはスマート・アイドリング・ストップ・システム(SISS)と呼ぶアイドリングストップシステムを出展した。SISSは圧縮行程にあるシリンダーに燃料を噴射して点火し、クランクを逆回転させて別のシリンダーで強い爆発力を得、正回転に戻してエンジンを始動する仕組み。スターター不要の画期的なシステムだが、100%の確率が得られずお蔵入りとなり、スターター方式の現行i-stopが実用化された。
アクセラに投入したハイブリッドシステムには、こうした長年の取り組みが生きているという。i-stopとハイブリッドで始動時の思想が異なるのは、「速さ」を求めたi-stopに対し、「なめらかさ」を求めた点。