4月22日、日産自動車および長崎日産自動車、日産プリンス長崎販売は、東彼杵町(長崎県東彼杵郡)、佐世保タクシー株式会社、株式会社西九州させぼパワーズと、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したと発表した。
日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては全国で96件目。EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む「ブルー・スイッチ」活動としては126件目の取り組み
この協定の内容は、東彼杵町が『電気自動車(EV)の普及を通じて、地域課題解決や環境負荷の低減に取り組むとともに、地震災害等による大規模停電が発生した際に、町が指定する避難所等において、佐世保タクシーや、日産の販売会社である長崎日産自動車および日産プリンス長崎販売より貸与される電気自動車「日産リーフ」を電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、町民の安全確保に努める』というもの。
東彼杵町では、大規模自然災害等に備えて、防災対策の強化に取り組んでいる。また、住宅用太陽光発電システム設置への補助など、地球温暖化対策、環境対策にも積極的だ。
佐世保タクシーでは、公共交通機関として人々の暮らしの利便性と地域発展に貢献し、高品質なサービスを通して顧客に満足していただき、地域に必要とされる企業を目指している。また、全国的にも早い段階でタクシーとして使用する車両を電気自動車(EV)へとシフトし、環境という側面からも社会貢献に取り組んでいる。
また、西九州させぼパワーズは、地域の電力・エネルギー供給事業を推進し、その利益相当分は地域振興等の公益的な事業に還元するなど、官と民の中間の存在として、その時々にあった地域課題等に柔軟かつ、スピード感をもった取り組みを推進している。
一方、日産自動車は、日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、国内の販売会社とともに全国の自治体や企業と協力して、電気自動車(EV)普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいる。また「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。
この日産自動車が推進する「ブルー・スイッチ」活動、そして、東彼杵町が推進する防災・環境対策の推進と、佐世保タクシーおよび西九州させぼパワーズが取り組む地域課題解決と、それぞれが互いの取り組みに賛同し、このたび同協定の締結を行う運びとなった。電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は以下のとおり。
【協定の概要】
・東彼杵町で災害を起因とする停電が発生した際、町が指定する避難所に、佐世保タクシーの所有する「日産リーフ」および、長崎日産自動車、日産プリンス長崎販売の店舗に配備している「日産リーフ」を無償で貸与する。
・東彼杵町、佐世保タクシー、日産自動車、長崎日産自動車、日産プリンス長崎販売、西九州させぼパワーズの協力により電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、町民の生命および身体の安全を守る。
・東彼杵町、佐世保タクシー、日産自動車、長崎日産自動車、日産プリンス長崎販売、西九州させぼパワーズは、平常時も電気自動車(EV)の普及促進を行うほか、町のイベントで使用する電力を電気自動車から供給することで、『電気自動車は「走る蓄電池」』としての活用を町民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。また、西九州させぼパワーズは、災害時やイベント等を行う際に使用するための外部給電器を無償で貸与する。
・東彼杵町は、西九州させぼパワーズと連携し、町民が所有する電気自動車等を、災害時の避難所等の電源として活用するための「災害時等協力登録車制度」を構築する。
西九州させぼパワーズは、可搬型給電器の複数台の導入や、東彼杵町と連携した「災害時等協力登録車制度」構築を図るなかで、東彼杵町周辺地域での町民のEV等の導入を支援するため、顧客を対象としたEV等購入支援金(20万円)制度を進める。また、再エネ100%メニューも提供し、国の補助と合わせて最大100万円の支援を実現する。これらのことにより、地域の共助による外部給電が可能な避難所環境整備と、EV普及とを併せて推進していく。
東彼杵町では今後、EV公用車の導入を検討し、今後もさらなるEV普及・促進の取り組みを推進し、環境・防災力向上に努めていく。
日産自動車は、人々の生活を豊かに、を目的に「ニッサン インテリジェント モビリティ」を推進し、独自性にあふれ、革新的なクルマやサービスを届けるとともに、「ゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)」「ゼロ・フェイタリティ(交通事故による死亡・重傷者数ゼロ)」に取り組んでいる。また、政府の推進する「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に寄与すべく、2030年代早期より、主要市場で投入する新型車をすべて電気自動車(EV)などの電動車両とすることを目指し、電動化と生産技術革新を推進しながら、新たな目標に向けて取り組んでいる。そして「ブルー・スイッチ」の推進に加え、電気自動車(EV)というクルマの販売にとどまらず、EVがもたらす豊かな生活の実現、そしてEVが成し得る社会変革のために、EVの生み出す新たな価値を世界に発信し続け、よりよい社会づくりへの貢献を目指している。
今回の「災害連携協定」も、日産の「ブルー・スイッチ」の活動に基づくもので、日産自動車が締結した自治体・企業との災害連携協定としては、今回の締結が全国で96件目となる。また、EVを活用したエネルギーマネジメントや観光などを含む、「ブルー・スイッチ」活動としては126件目の取り組みだ。
東彼杵町、佐世保タクシー、日産自動車、西九州させぼパワーズは、今後もこの協定締結を機に、環境および防災対策を強化し、電気自動車(EV)を活用した環境に優しく災害に強いまちづくりを推進していく。そして、電気自動車(EV)の普及を通じた地域課題の解決、脱炭素化社会実現に向けて、さらに連携を強化していく方針だ。