日産が新型エクストレイルを上海モーターショーで発表した。中国市場への投入は2021年下期を予定している。新型エクストレイルは、日産にとって重要なグローバルモデルだ。北米・欧州・中国それぞれの仕様について考察してみよう。新世代e-POWERは、どうなるのか?
上海モーターショーのプレスデー(4/18-29)で、日産は新型エクストレイルを発表した。日産は、最新のe-POWERを中国における最量販セダンであるシルフィを皮切りに2025年までに6車種搭載することも明らかにした。
これで、新型エクストレイルは北米(ROGUE=ローグ、すでに販売)、欧州(エクストレイル 2022年夏投入、キャシュカイはすでに投入済み)、そして今回の中国(2021年下期)となり、残すはいよいよ日本市場投入である。
キャシュカイは、エクストレイル(ローグ)のショート版である。
ちょっと復習しておくと
■北米のエクストレイルは2.5ℓ直4(PR25DD型 184ps/245Nm)を搭載している。
■欧州のキャシュカイは、1.3ℓ直4ターボ(DiG-T)+12VのBSGのマイルドハイブリッド。1.3ℓ直4ターボは、ルノー・ルーテシアやメルセデス・ベンツAクラスも搭載するエンジンで、138ps/240Nm、
156ps/270Nmの仕様が設定される。
また、今後、MR15型1.5ℓ直3VC(可変圧縮比)ターボ+e-POWERのパワートレーンが追加される。
中国仕様のエクストレイルで、今回の会見で明らかになったのは
・VCターボ搭載
・スペックは150kW(204ps)/300Nm
ということだけ。
ちなみに、欧州仕様の1.5ℓ直3VCターボのスペックはエンジンが157ps、システムのファイナル出力(つまりモーター出力)が140kW(187ps)/330Nmである。
ということは、モーターの仕様が
欧州:140kW(187ps)/330Nm
中国:150kW(204ps)/300Nm
ということで、やはり中国仕様の新型エクストレイルもe-POWERなのか?
日本仕様の次期エクストレイルは、おそらくMR15型1.5ℓ直3VCターボ+e-POWERがメインになるはず。中国では結局どうなるのか?
じつは、中国にはすでにVCターボが導入されている。
アルティマが搭載する2.0ℓ直4KR20ターボである。これは可変圧縮比ターボだ。スペックは
最高出力:179kW(243ps)/5400rpm
最大トルク:371Nm/4400rpm
である。
さすがに2.0ℓのKR20とはだいぶスペックに違いがある。
ということは、やはり1.5ℓ直3VCターボ・150kW(204ps)/300Nmを搭載するということか。
e-POWER用、つまり発電用に特化したVCターボが1.5ℓMR15型だと思われていたが、発電用ではなく、いわゆるコンベンショナルな仕様もあるのか?
プレスカンファレンスでは、燃費=5.8ℓ/100kmと紹介されていた。17.2km/ℓということになる。
東風日産のホームページを見ると
超变擎(超可変エンジン)と書いてある。
さらに、「第2世代4×4iインテリジェントフルモード4WD、VCターボ150kW/300Nm、5.8ℓ/100kmの燃料消費量、より高いトルク容量でダイレクトなレスポンスを備えた新世代CVT」とある。
ということは、やはり中国仕様の新型エクストレイルは、e-POWERではなく、VCターボ+CVTということになる。
あとは、このVCターボの排気量がどうなるか?
・欧州(とおそらく日本)に投入される新開発MR15型1.5ℓ直3VCターボの別仕様
・KR20型2.0ℓ直4VCターボの1気筒落としの1.5ℓ直3VCターボ
・KR20型2.0ℓ直4VCターボのデチューン(燃費志向)版
・それ以外のまったく新しいVCターボエンジン
のどれかということになる。
果たして、どれなのか?
次期日本仕様の新型エクストレイルも含めて、いろいろ面白くなってきた。