1月27日、BMWは高性能モデルの「M5」に、走りの性能をさらに高めた限定車「BMW M5 CS」を設定したと発表した。今春より市場導入が始まる予定で、ドイツでの販売価格は18万400ユーロ(約2276万円)。
CFRPパーツの積極採用でM5コンペティションより70kg軽い車重を実現
搭載される4.4ℓV型8気筒ツインターボエンジンは、M5コンペティションの10psプラスとなる635ps/750Nmを発揮。8速ATの「Mステップトロニック」と、BMW M専用セッティングの四輪駆動システム「M xDrive」を組み合わせ、3.0秒の0-100km/h加速、10.3秒の0-200km/h加速、305km/hの最高速をマークする。ちなみにM5コンペティションの加速データはそれぞれ3.3秒、10.8秒だから、加速性能が確かに向上していることがわかる。
M5 CSでは徹底したボディの軽量化を実施。M5コンペティションと比べて70kg軽いこのモデルの車両重量は1825kgを実現している。軽量化には、ボンネットやフロントスプリッター、ドアミラーキャップ、リヤスポイラー、リヤディフュザー、エンジンコンパートメントカバー、そしてインテークサイレンサーにはCFRP(カーボンファイバー強化プラスチック)を採用したほか、後席を独立した2名掛けのMカーボンシートを装備していることが大きく寄与している。
足まわりも専用セッティングだ。前後サスペンションはスプリングとダンパーを専用チューンしているほか、ゴールドブロンズカラーが目を引く20インチのYスポークデザイン鍛造ホイールを装着。タイヤはサーキットトラックなどでのスポーツドライビングに対応したピレリPゼロ・コルサが採用されている。タイヤサイズはM5コンペティションと同じで、フロントが275/35ZR20、リヤが285/35ZR20。
これら以外にも、M5 CSの個性を際立たせるディテールが内外装にわたって与えられている。エクステリアではゴールドブロンズのキドニー・グリル・サラウンドや、ボンネットフードのエアアウトレット、フロントフェンダー後部のサイド・ギルなどは、専用のデザインまたはカラーを採用。キドニー・グリルやサイド・ギル、リヤエンドには「M5 CS」のバッジを装着する。ブレーキキャリパーは標準ではレッドに塗装されるのだが、オプションのMカーボンセラミックブレーキを選択するとゴールドペイントとなる。
ボディカラーは、BMWインディビジュアル・マットペイントによるフローズン・ブランズ・ハッチ・グレー・メタリックと、フローズン・ディープ・グリーン・メタリックが設定された。
インテリアでは、12時位置にマーキングを施すMアルカンターラ・ステアリングホイールやカーボンファイバー製シフトセレクターが、卓越した走りをイメージさせる。
座面の一部にカーボンを用いたメリノレザー張りのシートはブラックカラーが基調で、肩口やステッチにレッドカラーをあしらうほか、インパネの助手席側には「CS」のロゴが表示され、独特のコントラストを演出。ドアのスカッフプレートにも「M5 CS」が表示される。