12月8日、マツダは、日本の燃焼研究で最も権威のある日本燃焼学会より、新世代ガソリンエンジン「スカイアクティブ-X」の火花点火制御圧縮着火燃焼の開発において、2020(令和2)年度日本燃焼学会「技術賞」を受賞したと発表した。この賞は、燃焼応用技術の研究・開発に顕著な功績を残した個人またはグループに対して贈呈されるものだ。
エンジンの熱効率改善を通じて二酸化炭素排出低減に貢献していることが高く評価
マツダの新世代ガソリンエンジン「スカイアクティブ-X」は、ドライバーの意のままでシャープなレスポンスやトルクフルで爽快な加速感を、優れた燃費・環境性能で楽しめるパワートレインとして、「マツダ3」と「CX-30」に搭載している。
今回の受賞では、乗用車用量産ガソリンエンジンとして世界で初めて高圧縮比化と希薄/希釈燃焼による火花点火制御圧縮着火燃焼(SPCCI)方式のエンジンを開発し、エンジンの熱効率改善を通じて二酸化炭素排出低減に貢献していることが高く評価された。
高効率を実現する圧縮着火燃焼を用いた自動車用ガソリンエンジンは、これまでも盛んに研究が行われてきたが、高圧縮比化技術の必要性や燃焼タイミング制御の難しさから実用化が困難だった。マツダは、ガソリンエンジン「スカイアクティブ-G」で培った高圧縮比化技術と、スパークプラグを燃やすためではなく、燃焼室内の圧力変化に活用する新たな発想での燃焼制御を開発することで、圧縮着火ガソリンエンジンの実用化に初めて成功した。
●日本燃焼学会「技術賞」受賞概要
・受賞対象:「火花点火制御圧縮着火を採用した新型エンジンSKYACTIV-Xの開発」
・受賞者:マツダ株式会社 漆原友則/西田正美/河野通治/井上淳/志々目宏二/末岡 賢也/松本浩太/丸山慶士(敬称略)