1958年(昭和33年)に初代スーパーカブC100が発売。2年後の1960年(昭和35年)、完全新設計のプレスバックボーンフレームを採用したカブのスポーツ版・スポーツカブC110がリリース。多くの若者に支持された。ここで紹介するのは、そんな貴重なスポーツカブC110をベースにした貴重な3台のお宝カスタム3台だ。
REPORT●北秀昭(KITA Hideaki)
PHOTO●てつかたかし(TETHUKA Takashi)
※月刊モト・チャンプ(2009年3月号)より
再メッキ処理&各部に磨きをかけ、美しさをキープ
スポーツカブC110は、スーパーカブC100系のOHVエンジンをベースに、頭部の盛り上がった高圧縮ピストンの採用によって圧縮比を9.5まで高め、最高出力を4.3馬力から5.0馬力にアップしたスポーツモデル。※詳しくは下記ページ参照
写真はレトロなフロント周りや、カブならではのチェーンケースなど、ハンドルバーやダブルシート以外はほぼノーマルの状態に保たれた超お宝な1台。
前後17インチのスポークホイール、ガソリンタンク、エンブレムなどには、再メッキ処理を施した。ハンドルポストやアウターローターカバー等には徹底的に磨きをかけ、美しさをキープしている。
OHVエンジンやケイヒンPWΦ16キャブレターは、定期的にオーバーホール。エンジンの状態は非常に良好で、街乗り用としても活躍。
ミントグリーンのウレタン塗装でイメージを一新
オーナーは1990年後半に入手し、少しずつレストア。写真のカタチまで復活させた。外装はミントグリーンのウレタン塗装を施し、爽やかなイメージを演出。ガソリンタンクは61年型のメッキ仕様をチョイス。
前後17インチの足周り、ハンドル周り、アップマフラー、シート形状はほぼノーマルの状態。エンジンは54cc版のスポーツカブC115用をベースとし、普段は街乗りにも使用。
レーシングスピリッツを煽るレッドカラー
スポーツカブC115は、C110(49cc)の2人乗り禁止、30km/h制限を考慮し、C110のボア径を40mmから42mmに拡大した、スポーツカブの54ccモデル(5.5馬力)。
写真はシート、ハンドル、マフラーなどが変更されているのみで、足周り、エンジン、ガソリンタンク、保安部品などは、ほぼノーマルのまま。外観&機関とも、1960年代のモデルとは思えないほど、良好な状態に保たれている。
街乗りからツーリングまで幅広く活躍しているこのC115は、オーナーの深い愛情が伺える貴重な1台だ。