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【美しすぎるクルマ・ベスト3(生方聡)】世界中の自動車メーカーがその背中を追いかけ続けた「フォルクスワーゲン・ゴルフ」


生方聡さんが選んだ「美しすぎるクルマ」、そのベスト3はホンダZとシトロエンBX、そしてフォルクスワーゲン・初代ゴルフというラインナップ。ゴルフはもちろん自動車デザイン界のマエストロ、ジョルジエット・ジウジアーロによるもの。スーパーカーのような派手さはないが、40年以上経った今でも色あせない普遍的な美しさを漂わせている。




TEXT●生方聡(UBUKATA Satoshi)

第3位:ホンダZ(初代)

1970年に発売が開始されたホンダZ。N360をベースとしたスペシャルティ軽として、フロントビューの低さを強調したデザインや豊富なボディカラーをアピールした。

当時「水中メガネ」の愛称で親しまれていたホンダZ。このクルマが現役のころ、私はまだ小学生で、そのユニークな後ろ姿がとてもカッコよかった。当時、円谷プロの特撮で『ジャンボーグ9』に変形したことも、好きな理由のひとつだったのだろう。




中学に入学すると、理科の先生がこのクルマで通勤していたが、マットブラックのボディカラーがとても印象的だった。 “がたい”のいいその先生とはクラブ活動を通じて親しくさせてもらったが、特撮ヒーローを思い浮かべるたび、ふたりのギャップが可笑しくて吹き出していたのは秘密である...O先生、ゴメンなさい。

黒い樹脂モールで囲われたリヤウインドウをホンダは「エアロビジョン」と呼んだが、その見た目から「水中眼鏡」の愛称が定着した。

第2位:シトロエンBX

シトロエンBXは1982年にデビュー。直線と平面が組み合わさったデザインは、ベルトーネ時代のマルチェロ・ガンディーニの傑作の一つ。

シトロエンといえば、DSを筆頭に、圧倒されるほど素晴らしいデザインのクルマがたくさんある。それに比べると、このBXは控えめなほうだと思うが、それはあくまで「シトロエンとしては」の話で、当時の日本車に比べたら、かなり尖ったデザインだったと思う。




ベルトーネのマルチェロ・ガンディーニの作で、直線的なボディに、角張ったフロントのホイールハウス、半分タイヤが隠れたリヤのホイールハウスなどがとくに好きなところ。また、くるくるまわる“ボビンメーター”や、ワイパー本体から出るウォッシャーなど、ユニークなところは数え切れない。




クルマを駐めて時間が経つと、ハイドロニューマティックのサスペンションが沈み込み、ご主人を待つ忠犬のような姿になるのも素敵だった。ウチのBXは、沈んだまま起きてこないこともあったが。

BXの特徴的なシルエットが際立つサイドビュー。

第1位:フォルクスワーゲン ・ゴルフ(初代)

FFコンパクトカーの金字塔、フォルクスワーゲン ・ゴルフは1974年に登場。デザインとパッケージングを手がけたのは、ジョルジエット・ジウジアーロ率いるイタルデザインだ。写真はスポーティ版のGTI。

同じジウジアーロが手がけてフィアット・パンダと、どちらを1位にしようか迷ったが、最終的に選んだのがフォルクスワーゲンの初代ゴルフ。当時、時代遅れとなった空冷ビートルの代わりになる新型車を模索していたフォルクスワーゲンが、ジウジアーロとともに生み出した初代ゴルフは、水冷エンジンをフロントに搭載し、前輪を駆動するという新しい考え方で、ビートルとは対照的なクルマに仕上げられた。




その直線的なデザインと、太いCピラーを持つ2ボックススタイルはとても新鮮で、いまだにその特徴が受け継がれているというのもすごい話だ。




私も過去にゴルフ1を2度所有したことがあるが、2台目をゴルフ7のプレス発表会に展示させてもらったのは良い想い出。そのとき来日したジウジアーロが、イベント会場をまわった際に、知人のゴルフ1にサインしたのだが、たまたまその時間、会場を離れていた私はサインのチャンスを逃してしまった。その悔しさといったら……。

前傾した太いCピラーは、ゴルフの特徴的なアイコンとして最新型にも受け継がれている。
大人5人が座れる空間を構築することから始まったデザインプロセス。その効率的なパッケージは革新的だった。
『美しすぎるクルマ・ベスト3』は毎日更新です!




どんなに走りが楽しくても、どんなに乗り心地が良くても、ブサイクなクルマには乗りたくない。そう、デザインはクルマの命。ということで、これまで出会ったクルマの中からもっとも美しいと思ったベスト3を毎日、自動車評論家・業界関係者に選んでいただきます。明日の更新もお楽しみに。
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