奥多摩は、奥多摩湖にはじまり、長い旅の末に東京湾へと流れ込む多摩川の上流にあたるエリア。けわしい山と深い森、そして美しい川が織り成す美観が人々に愛されています。多摩川と支流の日原川が交わる、ゆたかな水に恵まれた奥多摩町中心部を訪れてみました。
REPORT●村上 菜つみ(MURAKAMI Natsumi)
PHOTO●高橋 克也(TAKAHASHI Katsuya)
カフェKualaがちょっと変わっているのは、氷川キャンプ場の敷地内というその立地。国道411号奥多摩駅入口交差点を南に折れ、昭和橋で多摩川をわたったら、左手の町営氷川有料駐車場へ。キャンプ場内の森の一角にある小さな山小屋風の建物がカフェKualaです。
「Kuala」はマレー語で「流れの集まる場所」、つまり川の合流点という意味だそう。多摩川と日原川が出会うこの場所にぴったりなだけでなく、人が集まり、新しい何かと出会う場所にしたいという思いまでもが伝わってくる名前です。森の緑に隠れるほどに慎ましいこのカフェのたたずまいにも、その思いが現れているように感じました。
白熱灯の色に染まる小さなカフェは、すみずみまで木の香りが立ち込めていて山小屋のよう。棚に飾られたガラス瓶や謎めいたキャンプ道具の輝きが秘密基地みたいな雰囲気を醸し出して、冒険に憧れていた子どもの頃みたいに、ついワクワクしてきちゃいます。
幻のジャガイモと呼ばれる治助芋を使った奥多摩産治助芋の野菜カレー(900円)は、奥多摩だけで楽しめるカレーライスです。マルゲリータピッツァ(1000円)などの軽い食事や、奥多摩チーズケーキ(500円)などのデザートも豊富。ドリップコーヒーは挽きたて淹れたてが500円です。
ふらりと出かけた奥多摩には、あふれる自然とあたたかい人々、おいしいものがいっぱい。初めて見るもの、初めて知ることに驚くこともたびたびでした。カフェKualaで出会ったモノやコトの感動が、きっとまた私をこの奥多摩に連れてきてくれるはず、と感じています。
●カフェKuala
〒198-0212
奥多摩町氷川702 氷川キャンプ場内カフェクアラ
TEL:090-3518-2516
営業時間:11:30~21:00
定休日:月曜日・火曜日、他(不定期)