よもや命脈尽きるかと思われた懐かしの全開(アクセルではなくドア)&計測シリーズ。久しぶりの企画で取り上げるのは、大人気のe-POWER・日産キックスである。
シリーズハイブリッドこそが地球を救う。そう固く信じて疑わないSHEV(シェヴ)教信者である。冗談はさておき、性能を追求するほど大きくて重くて高くなるバッテリーと電気駆動の折り合いをつけようと思ったら、現状ではシリーズハイブリッドは最適解のひとつ。言い方はアレだけど、アレで使っていたモーターにコレに載せていたエンジンを組み合わせて仕立てた日産の技術者のしたたかさには心底感心させられる。
前後ドアの開口寸法から。
ドアハンドルは前後グリップタイプで、一般的な前ヒンジ後引き抜き型。ドアパネル下側にはガードが付いていて、ドアを開けたときに不幸にも縁石などにヒットしてもダメージは受けづらい。ドア全閉時の最外部は、フロントがグリップおよびアンダーガード、場合によってはその上のプレスラインというところで、開けるときには気をつけたほうがよさそう。リヤはフェンダーフレア部である。
驚いたことにフロントドアが1ノッチ構造。これまでいろいろ触れてきた中で記憶をたどっても心当たりがないくらい、珍しい造りである。リヤは後半はめ殺しガラス式+開閉ガラス式で、残念ながら全下降時にガラスが残るかどうかの計測を失念。ドアを開いたときにいちばん外側になる部分は、フロントがハンドル付近のエッジ、リヤはサッシュ後端のキックアップ部で、相当高い部位である。
ミラーtoミラーは1m96cm。
続いて前後フードの開口寸法。
フロントフード開放時の最上部は前端だった。フードステーは車両右側で差し込み式、ダンパーの類は備えず。ラッチ解除は室内Aピラー根元のレバーで、ワイヤー引きの機械式。フード側はセンターストライカー近くのレバーを引く方式。
リヤハッチは、ガーニッシュの下/ナンバー灯の間の「ここだろ」というあなたの直感どおりの場所に備わる電子スイッチ。ハッチ重量を感じさせないダンパーチューニングで、自動開閉装置は備えず。最大開放時の最高部はエンブレム下のエッジだった。
引き続き、リヤハッチの開口寸法。リヤハッチの形状自体は非常に起伏激しいのだが、開口形状は素直なオーバルという印象だ。トノカバーレベルの幅寸法が100cmというのは、何か示し合わせでもあるのかと思うくらいどの車も必ず確保している。物の出し入れという視点からすれば使いやすそうな形状である。
荷室内の寸法については、左右のホイールハウスの飛び出しが大きく見えることから一見小さそうに見えるものの、寸法としては平均レベルである。むしろ、ホイールハウスよりうしろの部位を大きく抉りこむことで127cmの寸法を確保しているのは、超尺物を載せるときなどに便利そう。また、助手席を倒したときの寸法も、小さなクルマにしてはとても長い。
ただし、開口部下端と荷室レベルには11.5cmの段差があり、重い荷物の出し入れなどには苦労が伴うだろう。したがって、後席背面を倒したときの段差も大きい。