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アバルト595コンペティツィオーネ「パワーウェイトレシオ6.2kg/psは伊達じゃない。操る楽しみに満ちた愛すべきじゃじゃ馬」


アバルト595シリーズでもっともスポーティなのが「コンペティツィオーネ」である。スポーティをじゃじゃ馬と言い換えていいかもしれない。これがじつに操って楽しいクルマなのだ。


TEXT &PHOTO◎世良耕太(SERA Kota)

キャラクターに見合った迫力のエキゾーストノートに感激

全長×全幅×全高:3660mm×1625mm×1505mm ホイールベース:2300mm 車重:1120kg

 アバルト595には3つのバリエーションがある。「595」はエントリーモデルの位置づけ。「595ツーリスモ」はパワー&トルクを向上させながらも、ロングツーリングの快適性を重視したモデル。「595コンペティツィオーネ」はパフォーマンスを機能の面でも視覚的な面でも指向したモデルだ。主な専用装備をリストアップしてみよう。




・ハイパフォーマンスエキゾーストシステム“レコードモンツァ”


・Brembo製4ポットフロントブレーキキャリパー


・KONI製前後FSDポットショックアブソーバー


・ヘッドレスト一体型Sabelt製スポーツシート/カーボンシェル(前席)

形式:直列4気筒DOHCターボ 型式:312A3 排気量:1368cc ボア×ストローク:72.0mm×84.0mm 圧縮比:9.0 最高出力:180ps(132kW)/5500pm 最大トルク:230Nm/2000rpm (SPORTスイッチ使用時250Nm/3000rpm) 燃料供給:PFI 燃料:無鉛プレミアム 燃料タンク:35ℓ

595のエンジンが「312B4」で145ps/180Nm、595Turismoが「312B3」で165ps/210Nm。そしてコンペティツィオーネが「312A3」で180ps/230Nmとなる。

 コンペティツィオーネが1.4ℓ直4ターボエンジンを搭載することは、595や595ツーリスモと変わらない。だが、コンペティツィオーネはツーリスモ比で11kW (15ps)/20Nm高い132kW(180ps)/5500rpmの最高出力と、230Nm/2000rpmの最大トルクを発生する。1120kgの車重に対してこの数値なので、パワーウエイトレシオは6.2kg/psということになる。相当やんちゃの走りが連想できるが、実際にそのとおりだ。




 エンジンルームを確認したところ、ターボチャージャーの仕様はツーリスモと同じように見えた(コンプレッサー側しか確認できないが)。出力/トルクのアップは主に過給圧の変更によるのだろう。そうあたりをつけて目玉おやじのようなブースト計を確認してみたら、ツーリスモとはスケールが違った。ツーリスモは1.6barまで目盛りが刻んであり、1.4barから上がレッドゾーンになっているが、コンペティツィオーネは2.0barまで表示してあり、1.75barより上がレッドゾーンである。

ハンドル位置は左も設定されている。

スポーツモデルらしいペダル。

 ステアリングコラムに差し込んだキーをひとひねりしただけで、コンペティツィオーネの「ただ者ではない感じ」は伝わってくる。左右4本出しのテールパイプはダテではなく、こんなに小さな身体でよくこんな猛々しい音が出るものだなぁと感心する。ツーリスモの排気を聞いたときに、「ライオンが唸っているようだ」と思ったが、ツーリスモをライオンにしてしまうと、コンペティツィオーネの排気音が表現できなくなる。といって、コンペティツィオーネをライオンに例えてしまうと、ツーリスモを猫にでもしないとバランスがとれない。それくらい、迫力に差がある。




 聞けば、アバルトの虜になる人の多くはエキゾーストシステムから出てくるサウンドに惚れ込むのだという。筆者もすっかり虜になってしまった。試乗時にテールパイプに向けて撮った20秒の動画を繰り返し再生しているところだ。アイドリング時のサウンドだけで、何倍もコーヒーが飲める。有料道路の料金所から1速、2速、3速とシフトアップしていく際のサウンドはいまでも記憶に残っており、思い出してまた、コーヒーが飲める。

トランスミッションは5速MT。5MT 1速:3.909 2速:2.238 3速:1.520 4速:1.156 5速:0.872 後退:3.909 最終減速比:3.090 5MTと5速AMTのギヤ比の違いは1速(AMTは3.545)のみ。ファイナルギヤも含めて残りは共通だ。

 コンペティツィオーネには5速MT仕様とATモード付き5速シーケンシャルトランスミッション(2ペダルのAMT)の2種類の設定がある。試乗車は5速MTだった。クラッチペダルはブランコのようにスイングする独特の動きをするので、慣れが必要だ。ただし、クラッチのミートに気を遣う必要はなく、やや雑に操作しても問題ない。センターコンソールから斜めに突き出したアルミ製のシフトノブもコンペティツィオーネの専用装備で、595はレザーだ。

ヘッドレスト一体型Sabelt製スポーツシートはレザー/アルカンターラ表皮だ。

シートカラーは写真のブラウンのほかにブラックも設定。ブラウンの色合いがいい。

シートはさベルト製。

 ツーリスモに乗ったときも思ったが、595の前席シートはサイズがたっぷりしており、車両のサイズからするとややアンバランスに見える。見方を変えれば、車両サイズに合わせてシートを小さくするような無粋なことはしていないということだ(後席のことは触れないでおくが)。Sabelt(サベルト)製のシートは、太ももから脇にかけてサイドのサポートが大きく張り出しており、包み込むように体をサポートする。運転に対して能動的にさせる大きな要素のひとつだ。

595Turismoよりさらに豪快なサウンドを響かせる

コンペティツィオーネのブースト計は2.0barまで表示してあり、1.75barより上がレッドゾーンである。

リヤサスペンションはトーションビーム式。コンペティツィオーネにはKONI製前後FSDポットショックアブソーバーが付く。

 速く走れるポテンシャルは備えているのだろうが、速い遅いはドライバー(というか筆者)にとっては関係なく、単純に、操っていて楽しい。箱根の山道を撮影も含めて1時間半ほど走り回った。エアコンは効かせていたが、走り終わったところで上半身にジワッと汗をかいていることに気づいた。久しぶりに気持ちいい汗をかいた気がする。

乗車定員は4名 トレッド:F1410mm/R1400mm

アバルト595 COMPETIZIONE(5MT)


全長×全幅×全高:3660mm×1625mm×1505mm


ホイールベース:2300mm


車重:1120kg


サスペンション:Fマクファーソンストラット式/Rトーションビーム式


駆動方式:FF


エンジン


形式:直列4気筒DOHCターボ


型式:312A3


排気量:1368cc


ボア×ストローク:72.0mm×84.0mm


圧縮比:9.0


最高出力:180ps(132kW)/5500pm


最大トルク:230Nm/2000rpm


(SPORTスイッチ使用時250Nm/3000rpm)


燃料供給:PFI


燃料:無鉛プレミアム


燃料タンク:35ℓ


燃費:JC08モード 13.1km/ℓ


トランスミッション:5速 MT


車両本体価格:383万円

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