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内燃機関超基礎講座 | 少し前のBMW2リッター直4自然吸気エンジン[N43]


全数過給の現在のラインアップからすると信じられないが、2010年代初頭にはBMWも自然吸気エンジンが主流のひとつだった。当時の直4エンジンのメイン機種をご紹介しよう。

【BMW 2.0ℓエンジンの変遷】


1994年 M52B20 1990cc 直6 80.0×66.0mm 119kW/5900rpm


2001年 N42B20 1995cc 直4 84.0×90.0mm 105kW/6000rpm


2004年 N46B20 1995cc 直4 84.0×90.0mm 110kW/6400rpm


2006年 N45B20 1997cc 直4 85.0×99.0mm 126kW/7000rpm


2007年 N43B20 1995cc 直4 84.0×90.0mm 130kW/6700rpm




 鋳鉄ブロックだったMシリーズに対し、2001年に切り替わったNシリーズはアルミ合金ブロック+ヘッドを採用。最初期(N42B20)は可変バルブリフト機構:バルブトロニックのみを搭載していた。




 BMWの縦置き直列4気筒は2010年までバリエーションがひとつしかなかった。すなわち、高精度直噴とリーンバーン・テクノロジーを組み合わせたこのN43B20である。2011年に、これに新型1シリーズに採用された1.6ℓのN18B16(N14B16を縦置化したエンジン)と2.0ℓのN20B20エンジンが加わり、3機種の縦置き直列4気筒を持つことになった。




 そのなかでも当時の主力は、このN43B20。NAエンジンと直噴+リーンバーンの組み合わせはポンプ損失の低減を狙ったもの。燃料を緻密に、しかも瞬時に噴射できることを生かし、点火の直前に噴射を行なう。その際、スロットルバルブは大きく開けておき(ゆえにポンプ損失が低減)、噴射した燃料に対して過剰な空気を送り込む。リーン燃焼だが、プラグまわりに十分な燃料が存在するので良好な燃焼が得られる。また、シリンダー壁面を通じた熱損失が少ないため、熱効率の向上につながる。


 エキゾーストマニフォールドは1-4番/2-3番独立2系統。排気干渉を完全に排した設計で、触媒もふたつ備えているのがみてとれる。

■ N43B20(BMW 320i MY2011)


シリンダー配列 直列4気筒


総排気量 1995cc


内径×行程 84.0×90.0mm


圧縮比 12.0


最高出力 125kW/6700rpm


最大トルク 210Nm/4250rpm


給気方式 自然吸気


カム配置 DOHC


ブロック材 アルミ合金


吸気弁/排気弁数 2/2


バルブ駆動方式 ロッカーアーム


燃料噴射方式 DI


VVT/VVL In-Ex/×
傾斜しているのが縦置きユニットの証。V型エンジンの片バンクに相当するスペースに吸気系や補機類を集約することで、必要な要素を効率よくパッケージングすることができる。

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