トヨタが展開するクルマのサブスクリプションサービス「KINTO ONE」はこれまで3年プランのみだったが、5月8日からは5年プランと7年プランが加わる。さらに契約期間中にクルマも乗り換えやすくするオプションパッケージも追加。1月には16車種を追加設定するなど、より幅広いユーザー獲得に躍起だ。
トヨタによる月額制の自動車利用サービス「KINTO(キント)」。2019年7月から本格的にサービスがスタートしたが、最近はテレビコマーシャルを積極的に行っていることもあり、そのサービス名を耳にしたことがある人は多いのではないだろうか。
KINTOには、KINTO ONEとKINTO FLEXの二つのサービスがある。KINTO ONEでは契約期間中は同じクルマを乗り続けるのに対して、KINTO FLEXは6か月毎もしくは1年ごとに好きなクルマに乗り換えられるという違いがある。
契約期間はともに3年間だったのだが、5月8日からはKINTONE ONEに5年/7年プランが追加されるとともに、契約期間中でも新たなクルマ・契約をスタートできるオプションパッケージ「のりかえGO」を選ぶことが可能となる。プランの選択肢を増やすことで、様々なライフスタイルのユーザーを取り込もうという狙いだ。
KINTO ONEの月額料金は、ボーナス併用払いを適用しない場合、ヤリスだと3万9930円〜(3年プラン)、3万7070円〜(5年プラン)、3万4760円〜(7年プラン)となっている。この金額は車両代だけでなく、自動車税や登録諸費用、車両のメンテナンス代、さらには任意保険(車両保険含む)までがパッケージ化されたものだ。特に任意保険の料金が高額にならざるを得ない若年層にとっては、魅力的に映りやすいのではないだろうか。
また、KINTO FLEXでは契約期間中にクルマが乗り換られたが、KINTO ONEでも新たにスタートする「のりかえGO」によって可能となる。サブスクリプションならではのメリットがより享受しやすくなるというわけだ。
3年プランは契約から1年半後、5年/7年プランは契約から3年後以降の6か月毎のタイミングで、中途解約時の解約金よりもリーズナブルな手数料を支払うことで乗り換えが可能。なお、乗り換え対象月以外で乗り換えを希望する場合は、規定の中途解約金を支払って新たに契約を結べば、乗り換えることができる。
音楽や映画などに比べると、まだ一般に普及しているとは言い難い自動車のサプスクリプションサービス。「自動車は所有するもの」という意識がまだ日本のユーザーには根強いこと、残価設定ローンなどと比べると金銭的なメリットが見出しにくいということがその要因だろう。100年に一度の変革期と言われる自動車業界において、「自動車を作る会社からモビリティ・カンパニー」への移行を宣言しているトヨタは、果たしてKINTOを成功に導けるのだろうか。