スズキ・ハスラーのライバルと目されているダイハツ・タフト コンセプト。しかしこのタフト、実は二代目だって知っていましたか? 1974年にデビューした初代タフトは、コンパクトな本格オフローダーで、まさにジムニーのライバルだったのです!
ダイハツ・タフトは、実は本格オフロード4WDだった!
東京オートサロン2020にタフト コンセプト(以下「タフト」)としてお披露目されたダイハツの新しいクロスオーバーSUVは、2020年央に発売される市販予定車だ。ハスラーに真っ向勝負を挑むライバルとしてマーケットが注目する一台である。
とはいえ、この2台を直接見比べてみると、それぞれに個性が際立つわけで、簡単に言ってしまえば「似ていない」。詳しくは下記リンク先をご覧いただくとして、明らかにタフトのほうがゴツくて道具感が強い。スズキのクルマに例えるなら、どちらかというとジムニーに近いテイストなのだ。
だがそれもそのはず。実はこのタフトは二代目で、初代はバリバリの本格オフロード四駆だったのだ!
デビューは1974年で、全長3.32m、全幅1.46mという、現在の軽自動車枠に収まるコンパクトなサイズに1.0Lエンジンを搭載。ラダーフレーム構造&トランスファー機構を備えた本格派のクロスカントリー4WDである。
当時のモーターファン誌には、こんな勇ましい写真が載っていた。川渡りもお手のもの。
ボディの短さにも目を奪われる。タテヨコ比がおかしいというか、真上から見たらほとんど正方形? アプローチアングル、ランプブレークオーバーアングル、デパーチャーアングルはかなり深そうだ。
インテリアも、まさに男の仕事場といった風情だ。4速MTのシフトレバーのほか、しっかりトランスファーも備わっているのが確認できる。「2H」「4H」「4L」の3モードを備えるが、モーターファン誌のレポートによれば「舗装路走行に適した2Hでさえ、高速巡航は厳しい」とのことだ。
こちらは当時のジムニー。360ccの軽自動車だったが、タフトのライバルだったと理解して間違いないだろう。
ちなみにその頃、ハスラーはバイクだった。すごく人気の高いオフロード車だったのはご存知の方も多いだろう。バイク版ハスラーも復活してほしい。
そしてこちらが二代目タフトのライバルである四輪版二代目ハスラー。タフなオフローダーばかりを見た後だと、MINIやフィアット500のようなオシャレなプレミアムコンパクトに見えてくる。
一方の現行ジムニー。昔ながらの無骨さを今に引き継ぐ稀有な存在だ。
もうすぐデビューする予定の新生タフトは、ハスラーのカジュアルさと、ジムニーのタフさを兼ね備えた新種のクロスオーバーとも言える。
ライバルがハスラーであることは間違いないだろうけれど、ジムニーのライバルだったという歴史を知っておいても損はない。2020年の夏頃と言われている新生タフトのデビューが楽しみだ。