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腕の形はどうする?|ケニー佐川の「楽テクBIKE塾」 ライディングフォーム7つのポイント③


ライディングスクール講師として豊富な実績を持つケニー佐川が、楽に楽しく安全にバイクを操るためのコツを記事と動画で分かりやすくアドバイス!バイク初心者はもちろん、リターンライダーからベテランまで目からウロコの楽ネタ満載です。今回のテーマは「腕の形」について!




REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)


PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kousaku)/山田俊輔(YAMADA Shunsuke)


MOVIE●倉田昌幸(KURATA Masayuki)

セルフステアを引き出すため

 ハンドルにどう腕を伸ばすか。そのヒントは「走る」「曲がる」「止まる」といったバイクの基本性能をいかに引き出すかにあります。たとえばコーナリングシーンを思い浮かべてみてください。バイクは車体を傾けて曲がっていきますが、そのとき傾いた方向にハンドルが自然に切れることで舵角がついて曲がっていきます。この作用のことをセルフステアと言います。つまり、バイクを上手く操るにはセルフステアを妨げないことが大事なのです。

上体がリラックスして懐を大きく構えたフォーム。肘が軽く外側に曲がり腕にも余裕がある。セルフステアが効いて舵角がつくのでよく曲がる。
肩が上がって腕も突っ張った、ありがちな悪い例。ハンドルを押さえてしまうことでセルフステアを妨げ、自ら曲がりにくくしてしまっている。


深呼吸して両肩を下げる

 セルフステアを生かすにはハンドルの動きを自由にしてやること。そのためには、両腕の力をなるべく抜いて楽に構えたいところですが、頭で思っていてもなかなか体がついてこないもの。特にバイクの特性に慣れていないビギナーは恐怖心からハンドルにしがみついたり、力で押さえてしまいがちです。でも、ハンドルの動きを規制するほどバイクはフラフラと不安定になるものです。初めて自転車に乗る子供を思い浮かべてみてください。これがベテランになれば両手放しでもスイスイと自転車を漕ぐことができますよね。バイクも同じです。


 両腕の力を抜くためには、バイクに跨ったらまず上半身をリラックスさせて、深く息を吸ってゆっくりと吐きながら両肩を下げましょう。肩甲骨の上側を開くイメージといってもいいかも。逆に両肩が上がっているのは緊張している証拠です。そうなると腕に無駄な力が入りやすくハンドルを押さえてしまいがちになります。

深呼吸しながら意識して両肩を下げるようにしよう。リラックスして息を吐きながら肩甲骨の上側を開くようなイメージだ。見た目もスマート。
肩が上がっていると呼吸も浅くなり、ハンドルから手が遠くなるため肘も曲げにくく、腕も突っ張ったようなフォームになりやすい。


懐に大きなポールを抱えるイメージ

 具体的な腕の形ですが、両腕をハンドルの外側から回すようにグリップに腕を伸ばします。このとき両腕で大きなビーチボールを抱えるようなイメージで懐を大きく構えてみてください。コーナリング時もこのビーチボールを潰さないように肘を軽く曲げつつ、やや外側に張るように構えるのがコツです。

ハンドルの外側から両腕を回すようにグリップに手を伸ばす。脇を絞らずにスペースを開けて、肘は外側に向けて軽く曲げるように構えるとハンドルの動きに追従しやすい。
脇を絞ってハンドルに真っすぐに腕を伸ばしたフォーム。こうなるとハンドルの自由な動きを妨げているのは一目瞭然。昔気質なライダーに多く見られるパターンだ。


肘を外側に軽く曲げて両腕でループを作りつつヘソを5cm程度引っ込めて懐に大きな空間を作ってみよう。常に懐にビーチボールを抱えているイメージを持つといい。

横から見た場合、下げた肩と肘と手首までがほぼ一直線上に並ぶように意識すると美しいフォームに。肘は下側ではなく外側に曲げているのでこう見える。

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