最新の電子デバイス搭載で登場したムルチストラーダ950。さらに最先端テクノロジーが追加投入された豪華版の950Sが主役の座に躍り出た。DSS(ドゥカティ・スカイフック・サスペンション)の採用を始めとする、数々の上級装備が奢られた贅沢なモデルである。
REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
◼️ドゥカティ・ムルチストラーダ950S.......2,040,000円 (グロッシー・グレイ)
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◼️ドゥカティ・ムルチストラーダ950.......1,769,000円(受注生産)
ドゥカティ・ブランドの中でもスクランブラーに次いで多くのバリエーションを持つ人気モデル。ムルティストラーダ(イタリア語で多様な道の意)の名が示す通り、道を選ばぬ多用途性に富むツアラーモデルである。ちなみに初代モデルは水冷エンジン搭載で2010年に登場している。
特に欧州ライダーの憧れを反映して今や人気カテゴリーになったアドベンチャーツアラーにカテゴライズされる1260ENDUROを筆頭に5機種がラインナップされている。その末弟の950をベースに最新電子制御デバイス満載で上級仕様に仕上げられたのが今回試乗した950Sだ。
基本的な特徴点は大柄な車体と乗り味を誇る堂々たるフォルムにLツインの937cc 113psエンジンを搭載。フロントに19インチ、リヤに17インチサイズのピレリ製スコーピオントレール2 タイヤを装着。燃料タンク容量は20Lを確保。そしてオプション設定だがサイドパニア(31L+26L)や48Lトップケースの装備に対応している点にある。
つまりツアラーとしての基本機能を備えたリッタークラスモデル。さらには最先端の電子制御デバイスを積極導入した点が大きなチャームポイントである。
先ずは950に装備されたボッシュ製6D IMU (6軸慣性測定ユニット)の採用が注目された。これによりボッシュ製コーナリングABSや坂道発進をアシスト(後退を抑止)するVHC (ビークル・ホールド・コントロール)、DCL (ドゥカティ・コーナリング・ライト)等の新機能を導入。
さらに950Cでは車体バネ上の揺動を抑えるコンセプトで開発されたDSS (ドゥカティ・スカイフック・サスペンション)EVO システムを備え、前後サスペンションのダンパー特性を路面の変化等に即応して自動的に連続可変してくれる。
また950 にはオプション設定されていたクイックシフト(DQS) を標準装備。発進後はシフトアップダウン操作時のクラッチ操作から開放される。その他オート・クルーズコントロールも装備。メーターには5インチTFT
カラー液晶ディスプレーが採用され、スマホと連携するインターフェイスやマルチメディア・システムも最新バージョンが投入されている。
冒険心を秘めて旅に出る。上級装備の万能ツアラーだ。
⚫️足つき性チェック(ライダー身長168cm)
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⚫️ディテール解説
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◼️主要諸元◼️
全長/全幅/全高:2,280mm/995mm/1,511mm
シート高:840mm(オプションシート:820/860mm)
軸間距離 :1,594mm
最低地上高:183.5mm
乾燥重量:207kg
車両重量:230kg
燃料消費率:5.5L/100km(18.2km/L)
原動機型式:テスタストレッタ11°
原動機種類:水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ(デスモドロミック)
気筒数配列:L型2気筒
総排気量:937cc
内径×行程:94mm×67.5mm
圧縮比:12.6:1
最高出力:83kW(113ps)/9,000rpm
最大トルク:96Nm(9.8kgm)/7,750rpm
始動方式 :セルフ式
燃料タンク容量:20L(無鉛プレミアムガソリン指定)
吸気・ボッシュ製電子制御燃料噴射、φ53mmスロットルボディ
1次減速比/2次減速比:1.840/2.867
クラッチ形式:湿式多板 油圧セルフサーボ/スリッパー・クラッチ機構付
変速装置/変速方式:6速
変速比:
1速:2.467
2速:1.765
3速:1.400
4速:1.182
5速:1.043
6速:0.958
フレーム形式:スチールパイプトレリスフレーム
キャスター/トレール:25°00′/106mm
タイヤサイズ(前/後):
120/70 ZR19(チューブレス)/
170/60 ZR17(チューブレス)
制動装置形式(前/後):
油圧式ダブルディスクブレーキ(ボッシュ製コーナリングABS)
油圧式シングルディスクブレーキ(ボッシュ製コーナリングABS)
懸架方式(前/後):テレスコピック/アルミニウム製両持ち式スイングアーム
ホイールトラベル(前/後):170mm/170mm
乗車定員 :2名
◼️ライダープロフィール