モンキーにはスタンダードのほか、限定モデルやスポーツモデル(モンキーR)など存在。こちらはモンキーのオフロードモデル「モンキーBAJA(バハ)」、略してモンバハ。モンキーをベースに、デュアルヘッドライト、楕円形のヘッドライト取り付けパイプ、ナックルガード、フロントフォークプロテクターなど、可愛いボディにオフロード装備を採用。モンキーBAJA(バハ)は1991年モデルと1992年モデルの2種類あり。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
1991年(平成3年) モンキーBAJA(Z50J-M)
モンキーBAJA(バハ)は、モンキーフリークの間では「モンバハ(モンキーバハの略称)」の愛称でもおなじみの、遊び心に溢れたモンキーのオフロード版。
モンキーBAJA(バハ)は、モンキーのフレーム&足周りをベースに、デュアル・ヘッドライト(15W×2)、楕円形のヘッドライト取り付けパイプ、オフロード風の専用4Lタンク、小枝や小石などから手を守るナックルガード、小石の飛び跳ねなどによるフロン トフォークへの傷を低減するフロントフォーク・プロテクターなど、小柄なボディに遊び心いっぱいのオフロード装備を採用しているのがポイントだ。
電装系は12V電装とし、CDI式点火を採用。また、エンジン系はオートカムチェーンテンショナーや、両端ベアリング入りカムシャフトを導入するなど、1992年に12V化されるモンキーとほぼ同じ仕様。ただし、スタンダードなモンキーとは異なり、バッテリーレスとしている。
1992年(平成4年) モンキーBAJA(Z50J-N)
ホンダのオフロードモデルである「BAJA(バハ)」シリーズの上級モデル、XLR BAJA(バハ)250と同じ、すっきりとしたホワイトをベースに、大胆で躍動感あふれるブラッシュ(刷毛塗り)模様のトリコロールカラーにチェンジ。エンジン、足周りに変更はない。
●モンキーBAJA(バハ)の主要スペック
全長:1330mm/全幅:735mm/全高:875mm/乾燥重量:55kg/燃料タンク容量:4L/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒49cc/最大出力: 3.1ps/7500rpm/最大トルク: 0.32kgm/6000rpm/変速機:4速リターン/クラッチ形式:マニュアル式/タイヤサイズ:前後3.50-8/発売価格(当時):15万9000円(1991年モデル)/17万9000円(1992年モデル)
ホンダアクセスの専用外装キット「モンキーアフリカ」は、今も大人気!
「モンキーアフリカ」は、モンキーBAJA(バハ)にビッグタンクやエンジンガードを装着して、ラリー感満点なフォルムにアレンジするボディキット(現在は絶版)。
発売は、ホンダ車のアクセサリーやバイク用アイテムを発売する「ホンダアクセス」。
当時はデカール未貼付のホワイトモデル(当時の価格は9万8000円)もリリースされていた。絶版後の現在でも、根強い人気を誇っている。
1992年(平成4年) オフロードレース専用モデル「Z50R」登場!
モンキーBAJA(バハ)にそっくりな外観のZ50Mは、保安部品を省いた競技用のオフロード専用車。Z50Mは北米などに輸出されて人気を獲得。その後、国内でもリリースされた。
エンジンはモンキーに採用の横型50cc。子供やビギナーでも扱いやすいよう、左手のクラッチ操作を省いたスーパーカブに採用の自動遠心式クラッチを導入。ミッションは3速としている。
点火方式はバッテリーレスのCDI式。容量4Lのガソリンタンクやシート周りはモンキーBAJA(バハ)と共通。ホイールベースはモンキーBAJA(バハ)と同寸の895mm。前後8インチの足周りも、基本的にモンキーBAJA(バハ)と共通だが、ホイールの構造(モンキーバハは合わせ型、Z50Mは4本ボルト固定タイプの2ピース型)は異なっている。
●Z50Rの主要SPEC
型式:AB02/全長:1285mm/全幅:605mm/全幅:810mm/ホイールベース:895mm/乾燥重量:49.5kg/燃料タンク容量:4.0L/エンジン形式:空冷4サイクルOHC単気筒49cc/ボア×ストローク:39.0mm×41.4mm/圧縮比:10.0/最大出力:3.1ps/8500rpm/最大トルク: 0.34kgm/4000rpm/点火方式:CDI式マグネット点火/変速機:3速リターン/クラッチ:自動遠心式/タイヤサイズ:前後3.50-8/当時の価格:13万9000円(初期型)
■モンキーBAJA(バハ)のカスタムをチェック!
モンキーBAJA(バハ)カスタムの定番。足周りをすべて変更し、ビッグフット仕様に!
前後にワイドホイール&120/90-10のブロックパターンのワイドタイヤを履き、迫力ある大足系フォルムにカスタマイズ。スインクアームは、オリジナルのオイルキャッチタンク付120mmロングアルミ、リヤショックはロングタイプを装着。フロントフォークは社外ステムを駆使して、モンキーカスタム定番のNSR50用をチョイスしている。
ガソリンタンクやシート周りは、Z50M用を流用。マフラーはアップタイプから、極太サイレンサー装備のダウンタイプに変更して、重量感のあるフォルムを演出している。
★Builder:ガレージネバーランド(4MINIチャンプ5より/2004年発売号)
モンキーBAJA(バハ)のフルチューン!バハは戦闘的なレーサースタイルもお似合い!
保安部品を取り去った、完全レース仕様のモンキーBAJA(バハ)。エンジンはモンキーカスタマー憧れの、SP武川製DOHC124ccキットを使うなど、細部まで徹底的にチューニングされている。
クラッチはSP武川乾式クラッチを改造し、市販レーサーのホンダRS125用クラッチバーツを組み込んで徹底的に強化。電気系はノーマルのアウターローターから、レーサーならではの軽量なインナーローターに変更(これによりレスポンスが大幅に向上)。走りを最優先させた戦闘的な一台に仕上がっている。
≪装着パーツ≫
ケイヒンFCRΦ28キャブレター
SP武川製乾式クラッチ
SP武川製スーパークロスミッシヨン
RM80インナーローター
オイルクーラー
オリジナルワンオフマフラー
SP武川製倒立型フロントフォーク
前後ディスクブレーキ
前後10インチアルミホイール
SP武川製160mmロングアルミスイングアーム
バックステップ
★Builder:HOT LAP(4MINIチャンプ3より/2002年発売号)