
BMWは上海モーターショーで新型BMW 3シリーズのロングホイールベース版である3シリーズLiを発表した。中国市場に向けた専用モデルである。この「ロングホイールベース版」、中国ではこれまでも人気が高く、セールスも好調なのだ。日本でも、「L版」が受け入れられるのではないか?
日本ではなじみがないが、中国ではDセグセダンのロングホイールベース版の人気が高い。
BMWを例にとると、中国の3シリーズのうち80%がロングホイールベース版である「Li」モデルである。
メルセデス・ベンツには、Cクラスの「L」モデルがあるし、アウディもA4Lが、ジャガーにもXE Lが販売されている。BMWがロングホイールベースモデルの開発に注力するのも当然だ。
では、サイズ感を比べてみよう。
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BMW 3シリーズ(ノーマル)全長×全幅×全高:4719×1827×1459mm ホイールベース:2851mm

BMW 3 シリーズLi全長×全幅×全高:4829×1827×1459mm ホイールベース:2960mm

ホイールベースで約11cm(109mm)全長も11cm延びている。延びた分は全部後席の居住性に当てられているのだ。
では、5シリーズと比べたら?
5シリーズ セダン 全長×全幅×全高:4936×1868×1479mm ホイールベース:2975mm

3シリーズLiは5シリーズよりも全長で107mm短い。ホイールベースは15mmしか変わらないから、後席の居住性は5シリーズ並み、ボディサイズは5と3の間、という位置づけだ。
では、メルセデス・ベンツCクラスでも比べてみよう。中国のCクラスLモデルも中国専用モデルだ。
メルセデス・ベンツC260ノーマル 全長×全幅×全高:4704×1810×1454mm ホイールベース:2840mm

メルセデス・ベンツC180L(ロングホイールベースモデル)全長×全幅×全高:4784×1810×1457mm ホイールベース:2920mm

である。Cクラスの場合は、ホイールベースの延長分は8cm。3シリーズが11cmだから、3シリーズの方が後席に余裕がある=商品性が高いという狙いだろう。
ちなみに価格を見てみると、同じ1.5ℓ直4ターボを搭載するモデルで見ると
C260 31万800RMBか(約559万4400円)から
C260L 34万6800RMB(約624万2400円)から
となっている。3万6000人民元(約65万円)ほどロングホイールベースモデルの方が高い。ただし、エントリーモデルのC180Lを選べば30万7800人民元(約554万円)からとなる。

では、トヨタはどうだろう? 中国のクラウンには「L」モデルは存在しない。レクサスのISにもGSにもLモデルはなし。
Lモデルが存在しないことで、マーケットの一部を失っている可能性もある。居住性を重視する顧客には、「アルファード」「ヴェルファイア」を用意している……といえるかもしれないが。
中国版BMW 3シリーズは、華晨汽車集団との合弁会社「華晨BMW」で生産される。つまり、Made in Chinaなのだ。しかも、BMWは出資比率を現在の50%から75%まで引き上げると発砲している。出資比率の引き上げの時期は明らかにされていないのが、中国政府が2022年に出資規制を緩和すると発表しているため、22年までには文字通り「BMW製」となるわけだ。
Made in Chinaの品質はかつてとは違う。日欧米の自動車メーカーの合弁ともなれば、すでにまったく問題ないレベルに達している。実際に、中国生産分をグローバルに輸出しているプレミアムメーカーもある。
となれば、BMW 3シリーズLiが将来日本に入ってくる可能性も……ゼロではない? サイズは5シリーズより小さく、室内は5シリーズ並み、スタイルは間延びしていないし、3シリーズとしての精悍さも保っているとなれば、3シリーズLi、そしてライバルのCクラスL、A4Lも日本市場でニーズがあるかもしれない。