アメリカにおける死亡事故の3割を占めるのが飲酒や薬物による酩酊時の運転だ。ボルボはそのようなドライバーに対処するために2020年台の初頭のモデルからドライバーの状態を監視し、最悪の場合、クルマの運転に介入できるよう車内カメラの導入を決めた。
驚くべきことに2017年のアメリカにおける全交通死亡事故数の約30%が飲酒やドラッグによる酩酊によるものだったという(NHTSA調べ)。「交通事故による死亡者または重傷者をゼロにする」というビジョンを掲げるボルボにとって、これは由々しき問題だ。
そこでボルボは車内にカメラやドライバーを監視するセンサーを設置し、薬物中毒や注意散漫なドライバーに対処する取り組みを開始することを発表した。
「長時間にわたりステアリングの操作が全くない」、「ドライバーが長い時間にわたり目を閉じているか路面を注視していない」、「走行中の車線を逸脱するほどの蛇行運転をする」、あるいは「反応時間が極端に遅い」などの反応が見られ、ドライバーが車両の発する警告信号にも反応しない場合、クルマが運転に介入できるようにするという。
車両による介入とは、「その車の最高速度を制限する」、「Volvo on Callアシスタンス・サービスに警告を発する」という方法に加えて、最後の手段として、「その車を自動で減速させて安全に駐車させる」ことまでが含まれる。
ボルボ・カーズで運転者行動学(Driver Behaviour)のトレント・ビクター博士は「ドライバーが飲酒や薬物使用で酩酊した結果、事故を起こす例が数多くあります。いまだに多くの人が『飲酒しても運転はできるし、自分の能力に影響を及ぼさない』と信じているようですが、私たちは、飲酒や薬物使用による酩酊の結果として人々を危険にさらすことがないようにしたいのです」と語る。
具体的には2020年台初頭の次世代プラットフォーム「SPA2」の導入と同時期にすべてのボルボ車にカメラを導入する予定だという。