週刊ヤングマガジン(講談社)で連載中の人気漫画「MFゴースト」。100万部突破を記念し、202X年が舞台となるMFゴーストを、2019年に再現した特別仕様の真っ赤な86。このマシンのチューニングアドバイザーであるレーシングドライバー、脇坂寿一と山野哲也の両氏が登場し、「86MFGコンセプト2019」の開発秘話を語ってくれた。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
純正タイヤサイズにこだわった理由とは?
司会:この86は「MFゴースト」のレギュレーションである『グリップウエイトレシオの均一化』に則り、“純正のタイヤサイズである215/45R17を履く”を開発の軸としてスタートしたそうですね。
脇坂寿一(以下、脇坂):86はノーマルでも非常にバランスの良いモデル。タイヤは幅を広げたり、扁平率を下げたりすると、ピンポイントでは性能が上がる場合がある。しかし、逆に運転が難しくなることがあるんです。パワーアップしていない車の場合、純正タイヤサイズがベストだと感じます。
山野哲也(以下、山野):純正タイヤサイズは、メーカーが研究やテストを繰り返し、すべての要素を考慮して選んだもの。純正タイヤサイズ以外をチョイスすると、ボディや足周りなど、弱いところに歪みやねじれが生じやすくなる。サーキットを走っても、タイヤサイズを変更したら遅くなった…なんてことが実際にあります。
脇坂: その点でも、漫画「MFゴースト」の内容は非常にリアル。『タイヤの性能を使い切るならば、無暗に太くしない方がいい』ということを、よく理解して描かれていると思います。
山野:今回、タイヤはブリヂストンのRE-71Rをチョイス。このタイヤは私を含め、開発陣が3年間かけて、苦労して苦労して(笑)作り上げた逸品です。通常、懐深い操縦性を持たせると、反応が遅くなりがち。しかしこのタイヤには時差がないんです。スポーツタイヤならではの、リアルな操縦性が味わえるのがポイントですね。
特注限定ホイールなど、足周りにもこだわりあり!
司会:ホイールはTWSのT66-Fを採用。リム幅8.0Jインセット37の特注としています(※限定86セット販売)。純正に比べ、リム幅を1インチ広げた理由は?
山野:操作性をリニアにするため。また、タイヤの性能を最大限に活かすため。インセットを37に設定したのは、車高調でローダウン(フロントを約25mm、リヤを約20mm)した車体を、バランスよく保つためです。
脇坂:このホイールは鍛造で、軽さと剛性に優れているのがポイント。バネ下の重量は、ハンドリングにも影響します。剛性が高い=中高速コーナーのアドバンテージにつながるというメリットもあります。
司会:サスペンションは、山野さんがプロデュースするエクスモーションによるMFGコンセプトSPECが採用されています。ポイントとなる点は?
山野:ボディや足周り=骨格を傷めないように設定しています。素直な動きになるよう、フロントのバネレートが7.1kgf/mm、リヤが8.9kgf/mmとし、リヤのバネレートをフロントよりもやや高めにセッティング。ショックアブソーバーは、少し荒れた路面での追随性を考慮し、減衰力をオリジナルとしています。
1月26日(土)~2月3日(日)まで、「GR Garage 東京若林(東京都世田谷区若林3-13-1 2F)」で上記のデモカーを展示予定。また、2月23日(土)~24日(日)に開催の「名古屋オートトレンド(ポートメッセなごやで開催)」で、上記デモカーが展示される予定だ。
■86MFGコンセプト2019のチューニングメニュー
型式:ZBA-ZN6
排気量:1,998cc
出力:152kw(207ps)/7,000rpm
トルク:212Nm(21.6kgm)/6,400~6,800rpm
シート:BRIDE XERO CS
クラッチ:小倉クラッチ ORC N1 CLUTCH
デフ:TRD 機械式 2way L.S.D
オイルクーラー:BLITZ OIL COOLER KIT
メーター:Defi ADVANCE ZD CSP(クラブスポーツパッケージ)
エアロパーツ:SaRD LSR WING
サスペンション:exmotion ATHLETE’S ORANGE for MFG CONCEPT
ブレーキ(F):Project μ 4Pistons×2Pads FS4M
ブレーキ(R):Project μ 2Pistons REAR
ブレーキパッド:Project μ TYPE HC-CS
ホイール:TWS TWS Motorsport T66-F
ホイールサイズ:17インチ8.0J・37(MFGコンセプト SPEC)
タイヤ:ブリヂストン POTENZA RE-71R
タイヤサイズ:215/45R17 91W XL