
芥川賞作家で笑いコンビ、ピースの又吉直樹(45)が29日、都内で、脚本を担当する音楽劇「エノケン」制作発表会に出席した。
“昭和の喜劇王”と称されるエノケンにちなみ、自身にとっての“喜劇王”を聞かれた又吉。「喜劇王という意味では並べられないけど」と前置きをした上で、「うちの相方」と綾部祐二(47)の名を挙げた。これには、会場から笑いがこぼれた。
「コントや漫才だけでなく演劇をやる機会があって、僕が1人で話すシーンがあったけど、お客さんが僕を見ていないような気がした」という。その公演は約1週間ほどだったため、VTRで確認した。「せりふがないけど、後ろで余計な芝居をして、自分を見るようにしていたんです」と明かした。「実力はおいといて」とした上で、「そういう“俺が主役だ”みたいなマインドは、部分的に通じる」とした。
綾部は現在アメリカ在住だが、「今も年に1回くらい日本に帰ってきて、トークライブとかをやる」という。その際、「オープニングで僕は普通に袖から出てきて、綾部さんは後方の扉から照明を浴びて出てくる演出を自分でやっている」と裏話を暴露。「そういう部分で、ちょっと近い部分はあるのかなと思います」と話し、会場を笑わせた。
同作は「人間ドラマとして書いた」とし、「舞台上にいたエノケンは貪欲。一生懸命生きるから笑いが起こる」と力強く語った。自身の出演については「前説とかできれば面白いかなと…」としたが、「すごい皆さんがそろっているので、僕は必要ないと思います」と話した。